セロトニン作動性抗不安薬(タンドスピロン)
脳内の神経伝達物質セロトニンの働きを調整し、抗不安作用などによって心身症などの不安、抑うつ、睡眠障害などを和らげる薬

セロトニン作動性抗不安薬(タンドスピロン)の解説

セロトニン作動性抗不安薬(タンドスピロン)の効果と作用機序

  • 脳内の神経伝達物質セロトニンの働きを調整し、抗不安作用などによって心身症などの不安、抑うつ睡眠障害などを和らげる薬
    • 心身症はストレスなどの心理的刺激により脳内の機能が乱れ、不安、抑うつ、睡眠障害など様々な症状を引き起こす
    • 神経伝達物質セロトニンは脳内で神経興奮・抑制などに関わり、そのバランスが乱れると不安などが引き起こされる
    • 本剤は脳内のセロトニンが関わる過剰な神経活動などを調整し、抗不安作用をあらわす
  • 神経過敏状態での抑うつや恐怖なども和らげるとされる

セロトニン作動性抗不安薬(タンドスピロン)の薬理作用

心身症はストレスなどの心理的刺激を受け、これら自律神経系、内分泌系などの中枢である脳の視床下部の機能が乱れることで、不安、抑うつ状態、睡眠障害、頭痛、めまい、便秘など様々な症状を引き起こす。

神経伝達物質セロトニン(5-hydroxytryptamine:5-HT)は脳内では神経興奮・抑制などに関わり、そのバランスが乱れると不安、抑うつ、睡眠障害などが引き起こされる。セロトニンは自身の受容体に作用(結合)してその情報を伝えるが、セロトニン受容体には、5-HT1ー7のタイプがあり、さらに5-HT1Aや5-HT1Bなどのサブタイプがある。

本剤(タンドスピロン)は脳内のセロトニン受容体のうち、主に5-HT1A受容体(シナプス後膜5-HT1A受容体)に作用し、亢進しているセロトニンの神経活動を抑えることで抗不安作用をあらわす。また、神経過敏による抑うつや恐怖などを和らげる作用もあらわす。

セロトニン作動性抗不安薬(タンドスピロン)の主な副作用や注意点

  • 精神神経系症状
    • 眠気、めまい、ふらつき、頭痛などがあらわれる場合がある
  • 消化器症状
    • 吐き気、食欲不振、口渇、便秘などがあらわれる場合がある
  • 肝機能障害
    • 頻度は非常に稀である
    • 倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸などがみられ症状が続く場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する

セロトニン作動性抗不安薬(タンドスピロン)の一般的な商品とその特徴

セディール

  • 一般的に筋弛緩作用や自発運動抑制作用などが少ないとされる