いんないはいえん(はっぷ)
院内肺炎(HAP)
入院してから48時間以上経過してから新たに発症した肺炎。通常の市中肺炎とは原因となる細菌や、使用される抗菌薬が異なる。
1人の医師がチェック 2回の改訂 最終更新: 2017.10.12

院内肺炎(HAP)の治療薬情報

喀痰の塗抹検査を行うことで起炎菌が推測できるため必ず行う。また、施設によって原因となりやすい最近とその薬剤感受性の傾向を参考にして抗菌薬を選択することが望ましい

使用が推奨される治療薬の例

重症でない場合

酸素化を保てる、ショックバイタルではない、人工呼吸器を使用していない。

    セフトリアキソン

    セフトリアキソン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 2000mg/1回
    50≧CCR≧10 2000mg/1回
    10>CCR 2000mg/1回

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    セフェピム

    セフェピム(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 2000mg/2回
    50≧CCR≧10 2000mg/1回
    10>CCR 1000mg/1回

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    タゾバクタム・ピペラシリン

    タゾバクタム・ピペラシリン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 4500mg/3-4回
    50≧CCR≧10 2250mg/4回
    10>CCR 2250mg/3回

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重症の場合

アミカシンは起炎菌が併用抗菌薬に感受性があると判明したら中止できる。

    セフェピム + アミカシン* + クリンダマイシン

    セフェピム(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 2000mg/2回
    50≧CCR≧10 2000mg/1回
    10>CCR 1000mg/1回

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    アミカシン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 体重1kgあたり15mg/1回
    50≧CCR≧10 体重1kgあたり7.5mg/1回
    10>CCR 体重1kgあたり7.5mg/2日に1回

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    クリンダマイシン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 600mg/3回
    50≧CCR≧10 600mg/3回
    10>CCR 600mg/3回

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    タゾバクタム・ピペラシリン + アミカシン*

    タゾバクタム・ピペラシリン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 4500mg/3-4回
    50≧CCR≧10 2250mg/4回
    10>CCR 2250mg/3回

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    アミカシン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 体重1kgあたり15mg/1回
    50≧CCR≧10 体重1kgあたり7.5mg/1回
    10>CCR 体重1kgあたり7.5mg/2日に1回

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    メロペネム + アミカシン*

    メロペネム(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 2000mg/3回
    50≧CCR≧10 2000mg/2回
    10>CCR 2000mg/1回

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    アミカシン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 体重1kgあたり15mg/1回
    50≧CCR≧10 体重1kgあたり7.5mg/1回
    10>CCR 体重1kgあたり7.5mg/2日に1回

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MRSAの関与が否定出来ない場合

*重症ならばアミカシンも加える

    セフェピム + クリンダマイシン + バンコマイシン

    セフェピム(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 2000mg/2回
    50≧CCR≧10 2000mg/1回
    10>CCR 1000mg/1回

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    クリンダマイシン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 600mg/3回
    50≧CCR≧10 600mg/3回
    10>CCR 600mg/3回

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    バンコマイシン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 1000mg/2回
    50≧CCR≧10 1000mg/1回
    10>CCR 1000mg/4-7日に1回

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    タゾバクタム・ピペラシリン + バンコマイシン

    タゾバクタム・ピペラシリン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 4500mg/3-4回
    50≧CCR≧10 2250mg/4回
    10>CCR 2250mg/3回

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    バンコマイシン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 1000mg/2回
    50≧CCR≧10 1000mg/1回
    10>CCR 1000mg/4-7日に1回

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    メロペネム + バンコマイシン

    メロペネム(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 2000mg/3回
    50≧CCR≧10 2000mg/2回
    10>CCR 2000mg/1回

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    バンコマイシン(点滴)

    投薬期間の目安

    通常は7日間と考えるが、痰の培養結果から腸内細菌群(大腸菌、クレブシエラ桿菌など)や緑膿菌、黄色ブドウ球菌による肺炎であると分かれば21日間とする

    投与量・回数の目安

    腎機能(CCR) 1回投与量/1日投与回数
    CCR>50 1000mg/2回
    50≧CCR≧10 1000mg/1回
    10>CCR 1000mg/4-7日に1回

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