しんけんせんいしゅしょう2がた
神経線維腫症2型
遺伝的に両側に聴神経腫瘍ができる疾患
2人の医師がチェック 2回の改訂 最終更新: 2021.03.11

神経線維腫症2型の基礎知識

POINT 神経線維腫症2型とは

両側に聴神経腫瘍ができる遺伝性疾患です。聴神経腫瘍とは、平衡感覚をつかさどる前庭神経から発生する神経鞘腫(良性腫瘍の一種)です。そのほかにも、脳や脊髄に多発する腫瘍(神経鞘種や髄膜種など)、皮下や皮膚の神経鞘種、カフェオレ班とよばれる茶褐色の皮膚の色素沈着、若年性白内障などを合併することがあります。聴神経腫瘍による症状として、難聴、耳鳴り、めまい、ふらつきなどが起こります。脊髄神経鞘種の症状には、手足のしびれや知覚低下、脱力などがあります。神経腫瘍の診断はMRI検査やCT検査によって行います。経過観察として年に1-2回の画像検査を行い、腫瘍による症状が出現した場合は手術での腫瘍の摘出が必要です。腫瘍のある部位によって経過観察を行う診療科は異なりますが、主に脳神経外科の担当となります。

神経線維腫症2型について

  • 常染色体優性遺伝の遺伝性疾患
  • そのほかの神経系腫瘍(脳および脊髄神経鞘腫髄膜腫、脊髄上衣腫等)を合併することが多い
  • 皮膚病変(皮下や皮内の神経鞘腫、カフェ・オ・レ斑)や眼病変(若年性白内障)も合併することがある

神経線維腫症2型の症状

  • 主な症状
    • 難聴
    • 耳鳴
    • めまい
    • ふらつき
  • 手足のしびれ、知覚の低下、脱力なども出現することがある

神経線維腫症2型の検査・診断

  • CT検査あるいはMRI検査で聴神経腫瘍の存在を確認する
  • 以下のいずれかで診断が確定する

神経線維腫症2型の治療法

  • 小さな腫瘍経過観察も可能であるが、大きな腫瘍や成長速度の速い腫瘍には治療を行う
  • 特に聴力損失を伴うものは積極的に治療する
  • 手術による全摘出が望ましいが、小さな腫瘍に対しては放射線手術も選択肢に挙がる

神経線維腫症2型のタグ

神経線維腫症2型に関わるからだの部位