あしはくせん(みずむし)
足白癬(水虫)
白癬菌という真菌(カビ)が足に感染することで起こる。通称「水虫」と呼ばれる
7人の医師がチェック 28回の改訂 最終更新: 2022.03.30

Beta 足白癬(水虫)のQ&A

    足白癬(水虫)の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    ヒトの皮膚を好むカビ(真菌のこと。Trichophyton rubrum と Trichophyton mentagrophytesがほとんど)の感染によっておこります。以下この菌を白癬菌と呼びます。 日本では、大多数の人がはだしになることが多い住環境のため、高率に足底に白癬菌が付着します。しかし自然に、あるいはスキンケア(お風呂で足を洗うなど)で白癬菌は皮膚から離れ、発病することはまれです。発病に至るには、温度、湿度、皮膚にある傷や、菌の量などさまざまな因子が複合的に関与して発病します。

    足白癬は、他人にうつる病気ですか?

    はい、うつります。 はだしで歩く環境はどこでも感染の可能性があります。 未治療の白癬患者と一緒に住む、寮や老人ホームなどの集団生活、プールやスポーツジムなど、はだしになる共同施設を頻回に利用する方は要注意です。

    足白癬は、どんな症状で発症するのですか?


    趾間型:足趾と足趾との間に赤み、小さい水疱ができ、角質がはがれ、白くなります。一番多い部位は薬指と小指の間です。

    小水疱型:足趾の間、足の裏に小さい水疱がたくさんできます。

    角質増殖型:足裏の角質が厚くなり、白くかさかさに見えます。

    足白癬の、その他の症状について教えて下さい。

    足趾の間にできる場合は、皮膚の皮がめくれ、痛みが出ることがあります。 また足だけでなく、体、手、爪、頭にも発病することがあるので、注意が必要です。 頭の病変では毛が簡単に抜けるようになってしまいます。 治りにくい湿疹がある場合は医療機関を受診しましょう。

    足白癬は、どのように診断するのですか?

    病変部の角質を一部めくり(ほとんど痛みはありません)、KOH(苛性カリ)鏡検法で白癬菌を確認します。皮膚科外来で簡単にできる検査です。 市販の水虫薬を外用していると、表面の菌が消えて診断が難しい場合がありますので、申し出てください。 多くの場合はKOH鏡検法で診断がつきますが、培養検査を行う場合があります。その場合は結果がでるまで数日から2週間かかります。

    足白癬と診断が紛らわしい病気はありますか?

    手足に水ぶくれや皮むけができる、汗疱、掌蹠膿疱症、点状角質融解症や、角質が厚くなる掌蹠角化症などがあげられます。いずれもKOH鏡検法で区別が可能です。 ここに挙げた病気はいずれも自然に治りにくく、水虫と間違え誤った自己治療をしている場合がありますので、一度皮膚科に相談にいらしてください。

    足白癬の治療法について教えて下さい。

    抗真菌薬をぬります。水虫の治療で重要なことは、皮むけや水疱がない部位にも白癬菌がいる可能性があるため、足全体に薬をぬることです。足の底、足の指、指の間、足の側面ももらさず塗ります。 また清潔にすることが大切です。足の底、指の間までしっかり石けんで洗いましょう。

    足白癬では通院はどの程度必要ですか?

    薬が患者さんにあっていれば、数週間で皮膚の症状はよくなっていきます。 大切なことは、足の症状がよくなっても、その後3か月ほど外用を続けることです。足の角質は厚く、よくなったように見える部位にも白癬菌が潜んでいる可能性があるため、医師の指示通りしっかり外用を続けてください。

    家族が足白癬である場合、うつる可能性はありますか?

    うつる可能性があります。 大切なことは、足白癬の家族に治療をしてもらうことです。治療を始めると、皮膚表面の白癬菌は劇的に減少するので、うつる可能性も大変低くなります。家族のためにも、患者さんには適切な治療を受けてほしいです。