おむつひふえん(おむつかぶれ)
おむつ皮膚炎(おむつかぶれ)
おむつをしている部分に起こる湿疹で、いわゆる「おむつかぶれ」
9人の医師がチェック 49回の改訂 最終更新: 2022.03.30

Beta おむつ皮膚炎(おむつかぶれ)のQ&A

    おむつかぶれができたときに家庭でできるケアはありますか?

    おむつかぶれとは、おむつをしている部分にできる湿疹(皮膚炎)のことで、おむつ皮膚炎とも呼ばれます。特に生後2-3か月や1歳前後で多いと言われています。

    おむつかぶれの治療法は、おしりを清潔に保つための家庭でのケアが基本です。一般的に刺激となるものを減らし、おしりを清潔にするケアを行っていれば自然に軽快しますが、ときに症状がなかなか改善しなかったり悪化したりする場合がありますのでその際は薬を使って治療します。

    以下でおむつかぶれができたときに家庭でできる対処法を紹介します。

    • 布おむつよりも紙おむつを使用する

    • 紙おむつを使用していても尿や便があればなるべく早く交換し、おしりを清潔にする

      • お湯に浸したタオルやティッシュなどで汚れを拭く
      • ベビーバスを使用した沐浴(もくよく)をする
      • ぬるま湯を入れた霧吹きを吹きかけて洗い流す
    • おしりが濡れた場合はしっかり乾かす

      • ドライヤーを使用すると刺激がなくて良い
      • 柔らかい素材のティッシュなどで優しく拭きとる
    • 皮膚のただれ(びらん)がない場合は、市販の保護クリームを塗る

    また、市販のおしり拭きやウェットティッシュにはアルコールや消毒剤が含まれており、これがおむつかぶれの症状を悪化させる刺激になる場合があることに気をつけなければなりません。清潔にしているのにかえって症状が悪化するような場合は、おしりふきを変えてみるのも良いでしょう。

    おむつかぶれの治療薬(塗り薬)について教えてください

    症状が軽い場合は保護クリームを塗ることで十分治療できることも多いですが、炎症がある場合は亜鉛華軟膏を利用するとよいです。便や尿が皮膚につかないようにすることも重要です。

    色々と治療法を試してみても症状が良くならない場合や炎症が強い場合は、炎症反応をおさえるステロイド外用薬を数日間使用します。短期間のみの使用ですので、いわゆるステロイドの副作用を心配する必要はありません。

    一般的に、ケアと薬による治療で自然に治りますが、おむつ内が蒸れることによって細菌感染する場合がありますのでその場合は抗菌薬による治療が必要です。おむつかぶれの症状が悪化したり、治らない場合は早めに受診するようにしましょう。

    おむつ皮膚炎は、どのくらいの頻度で起こる病気ですか?

    程度の差はあるにせよ乳児の9割程度が一度は経験すると言われています。また、赤ちゃんだけではなく、おむつを使用する成人でも起こる事があります。

    おむつ皮膚炎は、他人にうつる病気ですか?

    感染症ではないので基本的に人にはうつりません。

    ただし、特殊な皮膚炎であるカンジダ性おむつ皮膚炎は、カンジダと呼ばれる真菌が原因となって、免疫力の低下した方には様々な皮膚の感染症を起こすことがあります。

    おむつ皮膚炎は、どんな症状がでるのですか?

    おむつに触れる部位に丘疹や紅斑ができます。多くは、その後軽快しますが症状が進行すると、小さな水ぶくれ(水疱)ができたり皮がむけたように(びらん)なる事もあります。湿疹の部分がヒリヒリする事があるので、おむつ替えを嫌がる事があります。おむつに触れる事で症状が出現するので、それ以外の部分に湿疹ができる事はありません。

    おむつ皮膚炎は、どのように診断するのですか?

    湿疹がおむつに触れる部位に限定されている事、また湿疹の性状などから臨床的に診断します。おむつを長時間かえなかった、胃腸炎で頻回に下痢をしたなどのエピソードも手掛かりになります。何か検査をして診断するものではありません。

    おむつ皮膚炎と診断が紛らわしい病気はありますか?

    似た症状を起こすものにカンジダ性おむつ皮膚炎があります。これも同様におむつに触れる部分に湿疹ができます。原因はカンジダというカビが原因です。おしりのしわ、おむつのギャザー部位、ももの付け根のしわなどは湿気がたまりやすく、カビが発生しやすいのです。おむつ皮膚炎と同様丘疹や紅斑ができますが、湿疹の大きさがそろっていたり、湿疹の周りに白く剥離したもの(鱗屑)がついているのが特徴です。治療は抗真菌薬の軟膏を塗ります。

    おむつ皮膚炎と見分けるのは非常に難しいので、小児科、皮膚科で診断してもらうようにしましょう。

    おむつ皮膚炎の治療法について教えて下さい。

    まずは、おしりを清潔にする事が大事です。おむつ替えのときにおしり拭きでふきとるだけではなく、できればぬるま湯でおしりを洗い流してください。また、亜鉛華軟膏やワセリンなどを塗ります。それでも改善しない場合はステロイド軟膏を使う事もあります。

    おむつ皮膚炎では通院はどの程度必要ですか?

    程度にもよりますがだいたい治るまでに1週間-2週間程度かかります。自宅での、管理が重要ですので毎日通院する必要はありません。

    おむつ皮膚炎に関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。

    とにかく、おしりを清潔にする事が重要です。おむつを適度に変える、おむつ替えのときはきれいにおしりをふきとるなど日常的なケアが大切です。

    おむつ皮膚炎に対して軟膏はどのように塗ったらよいですか?

    おむつ皮膚炎のときに処方される亜鉛華軟膏やワセリンなどは、湿疹を直す作用もありますが、尿や便とおしりが直接触れるのを防ぐバリアの作用もありますので、おしり全体に厚く塗りましょう。またおむつ替えの度におしりを清潔にし、毎回塗るようにしましょう。