とるえんちゅうどく(シンナー中毒)
トルエン中毒(シンナー中毒)
シンナーなどに多く含まれるトルエンという物質により起こる中毒
2人の医師がチェック 28回の改訂 最終更新: 2018.02.22

トルエン中毒(シンナー中毒)の基礎知識

POINT トルエン中毒(シンナー中毒)とは

溶剤、接着剤、塗装などに含まれるものを吸入したり、シンナー遊びなどによって、トルエンという物質を吸いこんでしまうことによって起こる中毒です。吸入してすぐに起こる症状としては、めまいや頭痛、意識がぼんやりとする、などがあります。長期間にわたって吸い込んでいると、まっすぐ歩けない、うまく字が書けない、うまく話せない、手足がしびれる、幻覚が見える、興奮しやすくなる、幸せな気分になる、などの症状が見られます。トルエン中毒の診断は容易ではなく、症状や労働環境、エピソードなどから判断しますが、尿検査が役に立つこともあります。治療は基本的に様子をみて、今後はトルエンを吸入しないように努める他ありません。原因にもよりますが、トルエン中毒が心配な方や治療したい方は救急科や精神科を受診してください。

トルエン中毒(シンナー中毒)について

  • シンナーなどに多く含まれるトルエンという有機溶剤によって引き起こされる中毒
  • 仕事でシンナーを使用したりすることにより起こる
    • 「シンナー遊び」とも言われるシンナー乱用によっても起こる

トルエン中毒(シンナー中毒)の症状

  • 主な症状
    • 多幸感:酒に酔ったような気分となり気持ちよくなる
    • せきこみ
    • 頭痛
    • めまい
    • 吐き気、嘔吐
    • 耳鳴り
    • 幻聴、幻視不穏
    • 呼吸が不規則になる、弱まる
  • その他の症状
    • エタノールや酢酸エチルを含むシンナーが原因の場合
      ・視力・視野障害
      ・失明
      急性膵炎
    • ベンジンを含むシンナーが原因の場合
      再生不良性貧血
      白血病
      ・多発性神経炎

トルエン中毒(シンナー中毒)の検査・診断

  • トルエン中毒を簡単に診断できる検査はなく、症状や状況から判断する
  • 尿検査で馬尿酸という物質が増加していると診断の手がかりになる場合がある

トルエン中毒(シンナー中毒)の治療法

  • 症状が出た場合、新鮮な空気のもとに移動する
    • 呼吸困難があれば酸素吸入をする
    • 程度によっては人工呼吸が必要になる
  • 皮膚についたり目に入ったりした場合には、水で十分に洗浄する
  • シンナー遊びに依存してしまっている場合には精神科を受診する

トルエン中毒(シンナー中毒)の経過と病院探しのポイント

トルエン中毒(シンナー中毒)が心配な方

シンナーの主成分はトルエンです。工業用にトルエンを使用している職場で発症したり、シンナーを遊びで吸入することによる発症があります。

上記のような点に心当たりがあって、頭痛、だるさ、嘔吐などの症状があればトルエン中毒が疑われます。そのまま救急外来を受診して下さい。薬物中毒の場合には、いわゆる内科や外科ではなく救急科が専門の診療科になります。

受診の際には現場の状況がよく分かる方が付き添うことが重要です。トルエン中毒だと思っていたところ、工業用に使用していた他の薬剤が原因であったり、遊びで吸入していたシンナーの中にトルエン以外の化学物質(メタノールやキシレンなど)が含まれていることもあるためです。もし薬剤のスプレー缶や、成分名が記された添付文書などが現場にあれば、治療のためにぜひ持ってくるようにして下さい。

トルエン中毒については診断がつき次第その場で治療が開始されますし、治療の方法にもバリエーションが少ないため、どの病院でどのような治療を受けるか迷う余地はあまりありません。意識がぼーっとしていたり、何度も繰り返し嘔吐しているなど重症の場合には救急車での受診をお勧めします。

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