ぜんせきずいどうみゃくしょうこうぐん
前脊髄動脈症候群
脊髄の前側の部分に酸素や栄養を届ける前脊髄動脈が何らかの理由で詰まってしまい、麻痺などの症状が起こる病気
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最終更新: 2022.03.01
前脊髄動脈症候群の基礎知識
POINT 前脊髄動脈症候群とは
脊髄の前側の部分に酸素や栄養を届ける前脊髄動脈の血流が低下して、手足の麻痺や感覚障害などの症状が現れます。動脈硬化や大動脈解離などが原因で起こると考えられており、診断には画像検査(CT検査やMRI検査など)が行なわれます。前脊髄動脈症候群を治すための確立した治療はなく、麻痺などの症状を改善するためにリハビリテーションが行なわれます。前脊髄動脈症候群の診療は脳神経内科や脳神経外科で行なわれます。
前脊髄動脈症候群について
脊髄 の前側の部分に酸素や栄養を届ける前脊髄動脈の血流が何らかの理由で低下し、麻痺 などの症状が起こる病気- 特に血管が詰まって
虚血 を起こしている場合を総称して脊髄梗塞 と呼ばれることもある
- 特に血管が詰まって
- 主な原因
動脈硬化 - 大動脈解離や
大動脈 の手術の合併症
前脊髄動脈症候群の症状
- 運動や感覚の
麻痺 といった症状が急速に進む- 手足の運動の麻痺
- 温痛覚(温度や痛みを感じる感覚)の障害
膀胱直腸障害 :排尿や排便に障害が出る(神経因性膀胱などが起こる)
- 症状は両側に出ることも多いが、通常左右差がある
梗塞 を起こした脊髄 の部位によって、症状の広がりは変わる- 首のあたりの脊髄で障害が起こると、呼吸をコントロールする横隔神経の働きが弱くなり呼吸に障害が起こる
前脊髄動脈症候群の検査・診断
- 画像検査
脊髄 MRI 検査
- 他の病気でないことを確認するために、必要に応じて
腰椎穿刺 を行い髄液 を検査することもある
前脊髄動脈症候群の治療法
- 確立した治療はなく、
対症療法 とリハビリテーションが主な治療となる- 薬治療
- 手足の
麻痺 は、時間が経つと筋肉が突っ張ったような状態になるので、筋肉を緩めるような薬(抗痙縮薬)を使用することがある - 感覚の障害は、時間がたつと痛みに変化する場合があり、神経原性
疼痛 に対する治療を行う 排尿障害 が有る場合は神経因性膀胱に準じて治療を行う