あるこーるせいまっしょうしんけいしょうがい
アルコール性末梢神経障害
アルコールを長期にわたり多量に飲むことで起こる末梢神経の障害。手足のしびれなどが起こる
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最終更新: 2022.02.28
アルコール性末梢神経障害の基礎知識
POINT アルコール性末梢神経障害とは
長期の大量飲酒によって手足などにある神経がダメージを受け、両手足がピリピリと痺れたりすることを指します。アルコール(エタノール)が直接神経にダメージを与えること、ビタミンB1が欠乏することが神経障害の原因と考えられています。診断のために飲酒歴の確認と身体診察が行われます。必要に応じて、血液検査や、頭部MRI検査、末梢神経伝導速度検査なども行われます。また、大量飲酒に伴う他の病気が隠れていないか調べることもあります。治療としては、禁酒が重要です。不足しているビタミンB1の補充も行われます。アルコール性末梢神経障害かどうか知りたい方は神経内科を、アルコール依存を治したい方は精神科を受診してください。消化器科で治療をしていることもあります。
アルコール性末梢神経障害について
アルコール性末梢神経障害の症状
- 感覚神経が主に障害される
- 手足(主に足先)の痛みの感覚や、温暖の感覚が鈍くなる
- 手足のピリピリとした痛み など
- 筋力の低下はあまり起こらない
アルコール性末梢神経障害の検査・診断
- 飲酒歴と身体診察から診断をつける
- 必要に応じて以下のような検査を行う
- 採血検査
ビタミン Bが不足しているかどうか調べる- 飲酒に伴う肝臓や膵臓の障害など、他の病気の有無を調べる
頭部MRI 検査- 飲酒による脳のダメージを調べる
- 手足の痺れの原因となる他の病気がないか調べる
- 末梢神経伝導速度検査
- ・手足の痺れの原因となる他の病気がないか調べる
- 採血検査
アルコール性末梢神経障害の治療法
- 禁酒とバランスのとれた食事が何よりも重要
- 必要に応じて
ビタミン Bの補充療法などを行う
- 必要に応じて
- 禁酒を行うことで改善が期待できるが、飲酒の再開により再度症状が悪化する
- 症状の改善までには数ヶ月の治療が必要
- 状況に応じて抗けいれん薬や抗うつ薬などが使用される