えいちてぃーえるぶいわんかんれんせきずいしょう
HTLV-1関連脊髄症(HAM)
HTLV-1というウイルスの感染が原因で脊髄に慢性的に炎症が起こる病気
9人の医師がチェック 54回の改訂 最終更新: 2017.07.21

Beta HTLV-1関連脊髄症(HAM)についての医師コメント

どういう患者さんでHAMを疑うか,神経内科医の思考過程をお示しします.
HAMの中核となる症状は痙性対麻痺です.痙性とは突っ張ってしまうこと,対麻痺とは両脚に麻痺が出てしまうことです.両脚がつっぱって歩きづらくなり,足が地面についた時や踏ん張った時に足や膝がガクガク震えます(クローヌスと呼びます).腱反射は亢進し,手や足の筋肉の腱を叩くと,手や足が大きく動きます.
痙性対麻痺という症状を出す病気はたくさんあります.痙性対麻痺の原因となる病気を診断していく上で非常に重要なことは,痙性対麻痺以外にどのような症状を合併しているか,です.HAMでは膀胱直腸障害が発症早期から目立っていることが非常に特徴的です.すなわち,痙性対麻痺の症状が出た頃に頻尿や尿意切迫感,排尿困難や残尿感といった症状がはっきりしていれば,この病気を疑う大きな根拠になります.
また,この病気では脊髄の中でも下部胸髄と呼ばれる部分がおかされることが特徴です.脊髄のMRIをとるとこの部分に異常が見られます.
HAMを疑った場合は,HTLV1抗体という抗体を血液/髄液で調べます.陽性であればこの病気の可能性は非常に高いと考えます.
また,診断の上では他の病気を否定することも重要です.経過が早いHAMでは,視神経脊髄炎という病気を区別することが非常に重要です.視神経脊髄炎は抗アクアポリン4抗体という抗体が陽性になりますから,この検査をします.


匿名協力医師
病気や薬の豆知識
2015.11.28

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