しんけいげんせいしょっく
神経原性ショック
主に外傷などによって、脊髄が損傷を受けて、血圧が保てなくなった状態
6人の医師がチェック 23回の改訂 最終更新: 2018.02.28

神経原性ショックの基礎知識

POINT 神経原性ショックとは

医学的に「ショック」とは、全身の血流の循環が急にうまくいかなくなり、大事な臓器や細胞に必要な酸素を十分に届けられなくなり、その結果として生じる様々な異常を伴った状態を指します。ショックの場合、ほとんどのケースで血圧は低下します。神経原性ショックは多くの場合、背中にある脊髄の外傷が原因で起こります。血圧を調整している神経の働きが異常になることで、血管が必要以上に拡張してしまい血圧が維持できなくなります。ケガによるショック状態なので、他にショックの原因となる出血性ショックなどとの区別が重要になります。症状としては、意識がぼんやりする、脈が遅くなる、皮膚が温かくなるなどがあります。血圧や脈拍数が低下していることや病歴から神経原性ショックを疑い、他にショックをきたす病気ではないことを確認することにより神経原性ショックは診断されます。治療としては輸液、アトロピンや血管収縮薬の使用などを行いますが、神経原性ショックを起こすような外傷は重症なので、しばしば治療は集中治療室で行われます。神経原性ショックが心配な方や治療したい方は救急科を受診してください。(通常は救急車での搬送となります。)

神経原性ショックについて

  • 主に外傷などによって、脊髄が損傷を受けて、血圧が保てなくなった状態
    • 脊髄損傷により、自律神経の機能が低下する
    • 自律神経の異常によって血管が弛緩し、心臓の働きも弱まるため血圧が低下する
  • 脊髄損傷関節リウマチなどが原因の頚椎の脱臼などが原因となる

神経原性ショックの症状

  • 血圧低下や徐脈に伴い、以下の様な症状が出る
    • 冷や汗
    • 動悸
    • 意識障害
    • けいれん

神経原性ショックの検査・診断

  • 主な検査
    • 頚部レントゲンCT:頚椎の変形、脱臼、骨折を確認し、神経原性ショックの原因を診断する
    • 頚部MRI:頚髄の障害そのものを確認できる
      ・ただし血圧が低下してからは検査が行えない場合が多い

神経原性ショックの治療法

  • 主な治療法
    • 点滴で水分を補充する
    • 血管収縮薬の使用
    • 徐脈に対してアトロピンの使用
  • 疾患の経過や長期的な視点での関わり方
    • 適切な治療を行えば、24-48時間で回復してくることが多い

神経原性ショックの経過と病院探しのポイント

神経原性ショックでお困りの方

神経原性ショックとは、脊髄損傷(背骨の中にある脊髄が傷ついてしまうこと)によって全身の血圧が低下して生命の危機に瀕した状態のことです。一刻も早くの治療が必要で、この場合初期対応を行うのが救急科、背骨の手術などその後の根本治療を行うのが整形外科と複数の科で連携して診療が行われることが多いです。

神経原性ショックに陥っている状態であれば、麻痺があって動けない状態であったり、その他の原因も重なって意識がもうろうとしたりして、自力で病院を受診するのが難しい状態だと考えられます。このような場合には救急車で受診することになるでしょう。救急隊は、近さや病院の専門性を考慮した上で、救命救急センターのような高度医療機関など、適切な病院を判断し案内してくれます。その場合、施設があればICU (intensive care unit), HCU (high care unit) と呼ばれるような集中治療室に入院となるでしょう。

神経原性ショックの診断のために行われる検査は、レントゲン、CT、MRIです。この中でも特にMRIが重要で、MRIのない病院では、状況から神経原性ショックの可能性が高いと推測することはできても、原因を確定することや、同時に生じているであろう脊髄損傷の詳しい検査を行うことができません。とは言え神経原性ショックは一刻を争う危機的状況ですから、取り急ぎ(MRIのない)近くの病院で初期対応を行うことはあり得ます。その場合は、ひとまず急場をのり越えた後に、MRIのある病院に転院という流れになります。

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