たかんしょう
多汗症
汗を必要以上にかいてしまう病気
5人の医師がチェック 71回の改訂 最終更新: 2023.06.01

多汗症の症状について:手のひら、脇(腋)、全身の汗について

多汗症は汗の量が異常に多くなる状態のことです。一口に多汗症と言っても「身体の一部の汗が多くなる局所性多汗症」と「全身の汗が多くなる全身性多汗症」の2つがあります。それぞれの症状の特徴について説明します。

1. 局所性多汗症の症状:手のひらや足の裏、脇(腋)、頭、顔などの身体の一部の汗が多くなる

局所性多汗症の症状が現れやすいのは次の3つの部位です。

  • 手のひらや足の裏
  • 脇(腋)
  • 頭や顔

それぞれの部位ごとに症状の特徴があるので、個別に説明していきます。

手のひらや足の裏

手のひらや足の裏の多汗症は幼少期や思春期にみられることが多いです。軽症の場合、普段は乾いており、精神的緊張やものを持ったときに汗が多く出ます。重症の人は、手や足が絶えず湿っており、汗袗(あせも)ができたり皮膚が剥がれて細菌感染が起こりやすくなります。細菌感染が起こると腫れたり赤くなったり痛みが現れます。また、汗の影響で手や足が冷えすぎて紫色に変色することもあります。

脇(腋)

下着やシャツにしみができる程たくさんの汗が出ます。脇の汗の程度は左右対称のことが多いです。しばしば、手のひらや足の裏の多汗をともないます。

頭や顔

頭や顔の多汗症は男性に多く見られ、数年にわたって持続的に症状が悪化する人もいます。熱い飲食物の摂取後やストレスによって汗の量が増え、症状が重いと髪の毛や顔がびっしょりと濡れたようになります。頭や顔の多汗症は数分で収まることが多いですが、中には数時間から1日続くこともあります。

2. 全身性多汗症の症状:全身の汗の量が多くなる

全身性多汗症は全身から汗が多くでる状態です。全身性多汗症は甲状腺機能亢進症褐色細胞腫などの病気によって起こることが多いです。このため、汗が異常に多いこと以外の症状をともなうことが多いです。例えば、甲状腺機能亢進症であれば、動悸や手の震え、疲れやすさなどの症状が現れます。全身性多汗症は「こちらのページ」で詳しく説明しています。原因別の多汗以外の症状はそれぞれの病気ページを参考にしてください。

参考:

原発性局所多汗症診療ガイドライン2023
・UpToDate:Primary focal hyperhidrosis Authors:C Christopher Smith, MD David Pariser, MD