ひけっかくせいこうさんきんしょう
非結核性抗酸菌症(NTM感染症)
結核菌以外の抗酸菌による感染症。ほとんどが肺への感染
6人の医師がチェック 121回の改訂 最終更新: 2022.05.13

Beta 非結核性抗酸菌症(NTM感染症)についての医師コメント

 非結核性抗酸菌は水や土などの自然界に存在する菌で誰が感染しても不思議ではないのですが、なぜか中高年の女性に多い傾向があります。非結核性抗酸菌は長ったらしい名前ですが、その名の通り「結核菌以外の抗酸菌」という意味です。(「抗酸菌」というグループは数十種類以上の菌が含まれるグループなのですが、その中の一つが結核菌です。)
 非結核性抗酸菌症のポイントとしては①結核と異なり人から人に伝染しないこと、②粘り強い菌が多く劇的に効く薬がないこと、が挙げられます。①は嬉しい点ですが、②がやっかいです。むしろ結核の方が1年前後の治療で完治することが期待される病気です。(菌の存在が肺の狭い範囲にとどまる場合は手術で切除することもあるのですが。)
 非結核性抗酸菌は長年にわたり徐々に肺を破壊していくのですが、非常にゆっくりなことが多いです。ただその進行により体調を大きく崩すことが懸念される状況では3剤以上の抗生剤の内服療法が試みられます。大雑把にいって1年くらいは継続しますが、前述のように劇的には効かず菌の勢いを止めるくらいの効果にとどまり、内服をやめると再燃してしまうリスクもあります。
 特効薬が無いため病気とうまく付き合っていくという風に考えざるを得ないこともあります。多くの呼吸器科医も悩ましい病気として考えています。


匿名協力医師
患者さんへのメッセージ
2015.06.02