かびんせいちょうしょうこうぐん
過敏性腸症候群
検査では異常が見られないが、お腹の不快感・下痢・便秘などが続く状態
13人の医師がチェック 128回の改訂 最終更新: 2020.10.13

Beta 過敏性腸症候群についての医師コメント

お腹がもともと弱い、体質のせい、と言われていた人の中にはこの病気の人が多いと思います。これさえ飲めば大丈夫、という特効薬があるようなものではありませんが、ストレスを避けるなどの対処法や薬の服用である程度は改善します。日本人に多い病気でもあり、この病気は広く知っておくべきだと思います。ご自身だけでなくご家族や友人の中にこの病気で苦しんでいる方はいらっしゃるでしょう。腹痛、下痢、便秘といった症状(さらに腹痛が排便によって改善するかも重要)、排便回数、血便の有無(この病気で血便が出ることは絶対にありえない)などをしっかり医師に伝えましょう。


匿名協力医師
患者さんへのメッセージ
2015.04.26

私自身が中高生のころ過敏性腸症候群で苦しんだことがあります。腹痛に加え、便秘と下痢を交互に繰り返し、排便によって腹痛が軽快するという症状で、今になって思えば混合型だったのでしょう。症状がひどく学校に行けない日もありました。近くの病院を受診しましたが、血液・便検査は特に異常がないと言われるだけでした。別の病院に行き、検査で異常がないことと症状を伝えたところ、即座にこの病気と診断されました。ストレスのせいで起こること、もっと重症の人がいて自分はまだ軽い方であることなどの説明を受け、気が楽になった覚えがあります。なかなか診断がつかずそれによるストレスも症状を増悪させていたのだと思います。


匿名協力医師
実際の治療例
2015.04.26

消化器内科の非専門医です。一般内科クリニックの外来で過敏性腸症候群と思われる30歳代の男性を診療していました。腹痛、下痢が強く、経過からして過敏性腸症候群だと思いましたが、胃カメラなどの精査なくして断定するのも憚られました。しかしこのような年代の方は仕事が忙しい方も多く、なかなか病院に検査にいくこともできない状態でした。確定診断がないと不安も強い様子で、不安から腹部症状も強まったりと悪循環に嵌っていました。その方はいつのまにか来院されなくなってしまいました。消化器内科を掲げているところに受診しているならいいのですが、自分は非専門医として、精査での他疾患の除外をもっと強く勧めるべきであったと反省しています。そのステップを踏めば一般内科クリニックでも十分にその後のフォローはできたと思われます。


匿名協力医師
実際の治療例
2015.04.19