きゅうせいへんとうえん
急性扁桃炎
口蓋扁桃(のどの奥、横側にあるリンパ組織)が炎症を起こした状態
10人の医師がチェック 136回の改訂 最終更新: 2023.01.04

急性扁桃炎の基礎知識

POINT 急性扁桃炎とは

口蓋扁桃というのどの奥にある部位に炎症が起こった状態です。ウイルスや細菌感染の影響が大きいです。主な症状はのどの痛み・飲み込みにくさ・発熱・全身のだるさ・食欲低下・首のリンパ節の腫れなどです。急性扁桃炎は問診や微生物検査などから診断されます。原因が細菌感染である場合は抗菌薬(ペニシリン系抗菌薬など)を用いて治療すると早期に改善します。また、痛みが強い人は痛み止めを用います。急性扁桃炎が心配な人や治療したい人は、小児科・一般内科・感染症内科を受診して下さい。

急性扁桃炎について

  • 口蓋扁桃(のどの奥、横側にあるリンパ組織)が炎症を起こした状態
  • 口蓋扁桃が細菌ウイルスに感染したことで起こる
    • 細菌の場合はほとんどが溶連菌(溶血性連鎖球菌)の感染症である
    • それ以外はアデノウイルス淋菌クラミジアによる感染症が多い

急性扁桃炎の症状

  • のどの痛み
  • 発熱
  • 嚥下痛:ものを飲み込む時に痛む
  • 耳の痛み
  • 全身のだるさ
  • 食欲不振
  • 首のリンパ節が腫れる(圧すと痛いことが多い)
  • 子どもの場合、口から栄養をとることが難しくなり、脱水症状を引き起こす

急性扁桃炎の検査・診断

  • のどの奥を見て、扁桃腺の腫れている状況から診断されることが多い
  • 血液検査:炎症の程度や脱水の有無を調べる
  • 尿検査:脱水症状の状態や腎機能の程度を調べる
  • 細菌検査:原因となっている菌の種類を調べる

急性扁桃炎の治療法

  • 水分の補給
  • 安静
  • うがい薬を使用してのうがい
  • 原因菌に対し、抗菌薬の服用
  • 発熱、痛みに対し、消炎鎮痛薬の服用
  • 再発予防のため、マスクの使用、規則正しい生活を心がける
  • 年に3-4回以上急性扁桃炎を繰り返す場合、慢性扁桃炎と診断される
    • その場合は扁桃腺を手術で取る場合がある

急性扁桃炎の経過と病院探しのポイント

急性扁桃炎が心配な方

急性扁桃炎ではのどの痛みや発熱といった症状が出ます。いわゆる「のどかぜ」の一種です。慣れている人が見れば扁桃(のどちんこの両脇にあるふくらみ)が腫れていることが見て分かります。このような症状があって心配のある方は内科、耳鼻科、小児科のクリニックでの受診をお勧めします。

急性扁桃炎は、問診と診察で診断をする病気です。原因と必要に応じて検査キットを使用することもありますが、診断の精度は十分に高いとは言えませんので参考程度に行われる検査です。

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急性扁桃炎でお困りの方

急性扁桃炎は、いくつかの種類に分かれます。抗生物質(抗菌薬)が効果をもつものもありますが、大半は抗生物質の無効なウイルス性のものです。ただしいずれの場合でも自然の経過で治りますので、クリニックを受診してつらい症状がある中で診察を待つのではなく、自宅で様子を見るということも選択肢の一つです。対症療法として熱冷ましや痛み止めを使用することが目的であれば、医療機関を受診するよりもスーパーやコンビニエンスストアで購入できる市販の医薬品で様子を見る(セルフメディケーション)方が負担が少ないかもしれません。病院の薬(処方せん医薬品)と市販の薬(OTC)では、前者の方が効果が高いという分野と、どちらでも差がないという分野があります。かぜ薬については、(病院の薬と比べたときに)市販薬であっても効果や成分に実質的な差がありません。

病院で処方される医薬品の成分は、熱冷ましや喉の痛みに対するものであればアセトアミノフェンやロキソプロフェンといったものがあります。市販薬でもこれらの成分を含むものが多くありますので、市販薬を選ぶ際の参考にされてみてください。ここに挙げたのはあくまでも一部の例であり、これ以外の成分であってももちろん効果があります。

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