めっけるけいしつ
メッケル憩室
小腸の壁が袋状になって外側にふくらんだもの
5人の医師がチェック 83回の改訂 最終更新: 2018.10.10

メッケル憩室の基礎知識

POINT メッケル憩室とは

メッケル憩室は小腸の壁が膨らんで外側に膨らんだ状態です。卵黄管という赤ちゃんにしかない臓器が、残っているとメッケル憩室になります。男児に多く、女児の2倍の割合で発病します。症状が現れないことが多いですが、憩室炎を起こした場合には腹部の圧痛や嘔吐、発熱などが現れます。腹部CT検査や便潜血検査、アイソトープ検査が診断に用いられます。出血や腹痛がある場合は治療が必要になります。治療法は主に手術になり、腹腔鏡手術で行うことも可能です。メッケル憩室が疑われる人は小児科や消化器内科を受診してください。

メッケル憩室について

  • 小腸の壁が袋状になって外側にふくらんだ状態
    • 通常、成長とともに消えるはずの卵黄管が消えずに残り、メッケル憩室となる
  • 無症状例を含めると1-3%の発症
    • 男女比は2:1
  • メッケル憩室を持っている人のおよそ20%で症状が出現する
  • 回盲部(小腸のうち大腸寄りの部分)から口側に60cmほどのところに発生することが多い

メッケル憩室の症状

  • 症状が現れないことが多い
  • 5歳未満の小児に最もみられる症状
    • 痛みのない血便下血
  • 憩室炎を起こした場合
    • 重度の痛み
    • 腹部の圧痛
    • 嘔吐
    • 発熱
  • 腸重積腸閉塞などを起こした場合
    • 腹痛
    • 嘔吐
    • 腹部膨満
    • ショック   など

メッケル憩室の検査・診断

  • 腹部CT検査
    • 憩室の有無、炎症の有無を確認する
  • アイソトープ検査
    • 炎症を持ったメッケル憩室の場所を特定する
  • 便潜血検査
    • 憩室からの出血の有無を確認する

メッケル憩室の治療法

  • 症状が起きていない場合は治療の必要がない
  • 出血やその他の症状がある場合
    • 腹腔鏡下手術:メッケル憩室と周囲の腸の一部を含めて切除する

メッケル憩室の経過と病院探しのポイント

メッケル憩室でお困りの方

メッケル憩室は、特に症状が出ないままCT検査で偶然見つかるケースが多いでしょう。そのままにしていても変化がほとんど生じないため、症状がなければ治療は不要です。

メッケル憩室のある方では、憩室から出血したり、憩室内で細菌が炎症を起こして憩室炎の原因となったりすることがまれにあります。症状が強い場合には手術を行いますが、その際には消化器外科、一般外科、大腸外科など、病院ごとに担当となる科は様々です。普段からかかっている医師に相談をして、入院の時期や入院先を一緒にお決めになることをお勧めします。

メッケル憩室に関連する診療科の病院・クリニックを探す

メッケル憩室が含まれる病気

メッケル憩室のタグ

メッケル憩室に関わるからだの部位