うったいせいひふえん
うっ滞性皮膚炎(うっ血性皮膚炎)
脚の血行障害によって、足首などに生じる皮膚の病気。下肢静脈瘤などが原因になる
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最終更新: 2022.05.06
うっ滞性皮膚炎(うっ血性皮膚炎)の基礎知識
POINT うっ滞性皮膚炎(うっ血性皮膚炎)とは
血液の流れにうっ滞が生じた影響で、皮膚が炎症を起こす病気です。下肢静脈瘤など足の血管の異常が原因となることが多いです。最初は皮膚が赤くなり、数週間から数ヶ月単位で暗褐色に変色していき、進行すると皮膚が破れて潰瘍ができます。潰瘍に菌の感染を伴うこともあります。症状としては皮膚の変色や痒みが見られます。感染を伴うと痛みが出てくることもあります。診断は皮膚の見た目から行われます。必要に応じて足の超音波(エコー)検査などが行われることもあります。治療としては弾性ストッキングを着用して足の静脈に血液がうっ滞するのを予防する、皮膚を清潔に保つ、クリームや軟膏を塗るなどします。重症の人では、他の部位から皮膚を移植する場合などもあります。うっ滞性皮膚炎が心配な人や治療したい人は皮膚科を受診してください。
うっ滞性皮膚炎(うっ血性皮膚炎)について
- 足の血行障害によって、すねから下に生じる皮膚の病気
- 足の静脈が
うっ血 するメカニズム- 脚に流れてきた血液は、筋肉(特にふくらはぎの筋肉)の動きがポンプとなって、重力に逆らって心臓の方に戻っていく
- 脚を動かさない状態になると、脚の血液の流れが鈍くなり脚の静脈がうっ血してしまう
- 静脈の中には逆流防止弁があり、弁の機能が低下すると足に血液が溜まりやすい
- 下肢静脈瘤などが原因となる
- 足の下1/3に出現しやすい
- 特にくるぶしの周りなどで生じやすい
- 以下のことが原因として考えられている
うっ滞性皮膚炎(うっ血性皮膚炎)の症状
むくみ によって皮膚炎がおこり、痒みを伴う- 長く立っていたり、長時間歩いた日の夜に、膝より下にむくみが出ることが多い
- むくみが出た部分が赤茶色になって痒みを伴う
- むくみがちな足では血流が悪いことから軽い傷で
潰瘍 ができることもあり、また足の感染症 も起こしやすい- 潰瘍ができて感染を伴うと痛みが出てくることもある
うっ滞性皮膚炎(うっ血性皮膚炎)の検査・診断
- すねから下に
浮腫 (むくみ )ができ、かつ治りにくい特徴的な皮膚炎があれば、診察だけで診断ができる - 血行障害についてドップラー血流計や超音波(
エコー )検査で詳しく調べ、血液のうっ滞 の原因を探す- うっ滞の原因に即して治療を行う