しこつこっせつ
指骨骨折
指の骨に起きた骨折のこと
6人の医師がチェック 84回の改訂 最終更新: 2022.03.16

指骨骨折の基礎知識

POINT 指骨骨折とは

指の骨の骨折です。手や指に物がぶつかったり、外から強い力が加わることによって起こります。男性や高齢者に多いとされます。痛みや腫れ、熱感(熱をもった感じ)といった症状が現れます。骨折の程度を調べるために、レントゲン検査やCT検査が行われます。保存的治療(安静・固定・鎮痛剤など)もしくは、手術(プレートやワイヤーによる固定)によって治療されます。指骨骨折が心配な人は整形外科を受診してください。

指骨骨折について

  • 指の骨に起きた骨折のこと
    • 手をつく、物がぶつかるなど強い外力が手に加わることで引き起こされる
  • 男性や高齢者に多い
  • 骨折の種類
    • 剥離骨折:靭帯やスジに強く引っ張られ、引きはがされた骨折
    • 嵌入骨折:骨折した骨のかけらがぶつかり合うことで起こる骨折
    • せん断骨折:捻じるような力が加わり起こる骨折
    • 開放骨折:皮膚から骨が飛び出た状態の骨折
    • 閉鎖骨折:皮膚の中で起こった骨折

指骨骨折の症状

  • 骨折部位の痛み
  • 骨折部位の腫れと熱感

指骨骨折の検査・診断

  • 画像検査::骨折の状態を調べる
    • レントゲン検査
    • CT検査

指骨骨折の治療法

  • 保存療法
    • 転位(骨のずれ)がない場合は添え木やテーピングで固定する
  • 手術
    • 固定術:プレートやワイヤーやネジで骨を固定する
  • リハビリテーション
    • 固定した関節の動きや働きを改善する
    • 関節が固まらないようにする
  • 高齢者では転倒などで骨折が起こるため、転倒予防のために足腰の筋力を強化することが必要

指骨骨折の経過と病院探しのポイント

指骨骨折が心配な方

指骨骨折とは、文字通り指の骨が折れた状態のことです。手の指、足の指どちらの骨折も含みます。折れる部位による分類以外にも骨の折れ方による分類もありますが、骨にひびが入った程度の骨折から、緊急手術を要することもある開放骨折まで、指の骨折すべて含めて指骨骨折と表現します。

指骨骨折を診る診療科は、整形外科や救急科になります。基本的には整形外科が専門となりますが、夜間や土日で整形外科の外来がやっていない場合は、救急科が対応することになります。救急科にて診断や初回の治療は可能ですが、後日に整形外科へ紹介となることが多いため、両方共受診が可能なのであれば最初から整形外科を受診されることをお勧めします。

骨折の種類により、クリニックで診療可能なものから、総合病院を受診した方が良いものまでがあります。具体的には、交通事故などにより、皮膚に傷があり、その傷から骨が見えていたり、飛び出したりしているような状態(開放骨折といいます)では、緊急での処置が必要となる可能性が高いため総合病院の受診がいいでしょう。突き指や、強く打った後からの痛みなどの場合、痛みがある指に変形がなければ、手術を要する骨折がある可能性は低く、クリニックの受診でも問題ないでしょう。万が一、クリニック受診時に緊急手術が必要と判断された場合は、総合病院へ紹介を受ける流れになります。

指骨骨折に限らず、骨折の検査は基本的にレントゲンで行います。レントゲンで骨折部位の特定が困難である場合はCT検査を行うこともあります。画像で骨折が認められる部分とその部位の痛みが一致することで骨折の診断となります。整形外科であれば、病院ではなくクリニックでもレントゲンが基本的にあるため、診療が可能です。

突き指をした後に、数日様子を見ても痛みがよくならず、痛む部位が紫色に変色してきた場合などは、ただの突き指ではなく、指骨骨折や靭帯損傷の可能性もあります。ご心配であれば一度病院を受診されてください。指骨骨折では、どのように怪我をしたかが重要になることがあります。医師には、怪我をした際の詳細な状況をぜひお伝えになってください。

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指骨骨折でお困りの方

指骨骨折の治療には、保存療法と手術療法があります。

骨のずれがない、または軽度の場合は添え木やテーピングを使用した保存療法を行うことが多いです。保存療法では、固定後も何度か定期的に整形外科を受診し、レントゲンによる骨の治癒過程の状態を確認します。骨がしっかりとくっつき、痛みもなく、指が動く状態が確認されれば、通院が終了になります。

骨のずれが大きく、保存療法ではしっかりと骨がくっつかない、指が曲がってしまう可能性がある、または骨がくっついても元通りの指の機能が戻らない可能性がある場合には手術を行います。手術では骨のずれを治し、プレートやワイヤー、ネジで骨を固定します。骨折の手術は、前述した開放骨折でなければ、基本的に数日以内に行います。開放骨折では、骨が感染し重症になり得るため、基本的に緊急手術になります。開放骨折では、怪我をしてからできるだけ早期の手術が勧められます。

骨折の治療後に固定やテーピングがきつく、指の感覚が鈍くなった、指の先端の色が紫になってきた場合には、血流障害が起こっている可能性が考えられるため、手術をした病院に連絡してください。また手術をした部分が赤く腫れたり、膿が出てきたりした場合は、細菌感染が生じている可能性があるため、この場合も速やかに病院を受診してください。

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