Beta 足関節捻挫のQ&A
足関節捻挫の原因、メカニズムについて教えて下さい。
足関節捻挫とは、足首をひねって起きるけがのことです。骨同士は靭帯でつながっており、足関節はこれらの靭帯は関節を安定させる役割があります。足関節捻挫は、この靭帯が、外力によって伸びたり切れたりすることで起きます。原因は、スポーツ中で起こるものが多いですが、歩いているときや段差などにつまずいた時など、日常生活でも起こることがあります。
足関節捻挫が発症しやすくなる、または足関節捻挫の人が他に注意すべき病気はありますか?
激しいスポーツをしている人は発症しやすくなります。特に、ジャンプの着地の際に他人の足の上に乗ったり、相手にぶつかったりなど、接触プレーを行うラグビーやサッカー、バスケットボールなどの競技で発生しやすいと言われています。また、足の筋力が弱いと、着地した際に、うまくバランスを取れず足首をひねりやすくなります。そのため、男性よりも女性がなりやすいという報告もあります。
足関節捻挫は、どんな症状で発症するのですか?
足関節捻挫は、足をひねった後に、足首が痛んだり、腫れたりします。特にくるぶしの部分が痛む場合が多く、押すとさらに痛みが出ます。痛みで足を着けず、歩けなくなる場合もあります。
足関節捻挫は、どのように診断するのですか?
まず、問診で、怪我をしたときの状況を聞きます。さらに、視診、触診で足首の腫れや、痛みの程度を確認します。さらに、骨折がないか、X線(レントゲン)検査で調べます。
足関節捻挫の、その他の検査について教えて下さい。
靭帯は、X線(レントゲン)検査では写らないため、靭帯の状態を詳しく調べるために、MRI検査を行う場合もあります。
足関節捻挫の治療法について教えて下さい。
足関節をひねって、痛みがひどい場合や大きく腫れる場合は、まず応急処置を行います。応急処置の基本は、安静にする(Rest)、冷やす(Ice)、圧迫する(Compression)、足を挙げる(Elevation)の4つで、それぞれの頭文字をとって、RICE処置と呼ばれます。 応急処置をした後は、靭帯の損傷程度によって、治療を選択します。
捻挫は、靭帯の損傷の程度によって、以下の三段階に分けられます。
・Ⅰ度捻挫:靭帯が伸びた程度
・Ⅱ度捻挫:靭帯の一部が切れた状態
・Ⅲ度捻挫:靭帯が完全に切れた状態
Ⅰ度、Ⅱ度捻挫はRICE処置を基本とし、痛みが取れるまで、安静にします。Ⅲ度捻挫では、数週間足首を固定したり、場合によっては手術を行う場合もあります。
足関節捻挫は、再発を予防できる病気ですか?
一度伸びたり、損傷した靭帯は、完全には元に戻りません。足の筋力をつけたり、正しい姿勢を身につけなければ、足首をひねりやすい状態が続きます。無理にスポーツを再開せず、まずは安静にすることが大切です。安静期間を過ぎたら、医師や理学療法士などの専門家と相談し、徐々に運動を始めましょう。
足関節捻挫に関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。
足関節を捻挫して、足首を固定しているときでも、足の運動をすることで、筋力低下を予防できます。たとえば、足の指をグーチョキパーと動かしたり、床に置いたタオルを足の指で手繰り寄せたりする運動があります。これらは、ふくらはぎやすねの筋肉が動き、筋力低下だけでなく、足の循環を促す効果もあります。医師と相談しながら、できる運動を行っていきましょう。
足関節捻挫は、完治する病気ですか?あるいは、治っても後遺症の残る病気ですか?
安静にすることで、痛みや腫れは引き、通常通り動けるようにはなります。しかし、損傷した靭帯は、そのままでは完全には元にもどりません。再発しないようリハビリを行うことが大切です。完全に靭帯が断裂したような場合では、手術を行う場合もあります。
足関節捻挫後はいつごろ競技に復帰できますか?
捻挫の程度によります。 Ⅰ度捻挫(軽くひねった程度)であれば、2~3日安静にすることで症状が軽快し、軽く走れるようになる場合が多いです。Ⅱ度捻挫では、競技復帰までに2~3週間かかることが多いです。Ⅲ度捻挫では、完全に靭帯が断裂しているため、ギプスなどでしっかりと関節を固定する必要があります。競技復帰までには1~2か月以上かかる場合が多いです。足関節捻挫は、適切に治療を行わないと、再発しやすいけがでもあります。医師と相談し、競技復帰に向けて、焦らずリハビリを進めて行きましょう。
足関節捻挫のサポーターにはどのようなものがありますか?
サポーターには様々な種類がありますが、主に固定の強さで分類されます。ベルトで軽く足首を固定するものから、足首の左右に支柱がついており、しっかりと足首を固定できるものなどがあります。足首がしっかりと固定されるほど、足首は安定しますが、一方で、足首の動く範囲が制限されるため、運動するときの動作が妨げられる場合もあります。捻挫の程度によって、使い分けるとよいでしょう。また、バスケットボールシューズやバレーボールシューズなどは、ローカット(履き口浅い靴)のものではなく、ハイカット(足首まで履き口ある靴)の靴の方が、足首が安定します。詳しくは、医師や理学療法士、義肢装具士などの専門家に相談しましょう。