心臓神経症の基礎知識
POINT 心臓神経症とは
心臓神経症は心臓自体に明らかな原因がないのに心臓の病気のような症状が出る状態です。ストレス・不安・過労などが原因となるといわれています。主な症状は、動悸・息切れ・めまい・胸痛などですが、不安や抑うつ気分などを伴うことも多いです。 診断するためには、症状や身体診察に加えて心臓の状態を調べるために心電図検査や心臓超音波検査(エコー検査)を用います。認知行動療法や薬物療法を用いて治療します。心臓神経症は不安があると状況が悪化することが多いので、心臓には問題がないことに対して納得感を持てるかどうかが治療のポイントになります。心臓神経症が心配な人や治療したい人は、循環器内科を受診して下さい。
心臓神経症について
心臓神経症の症状
- 強い不安感や緊張感が起こると、徐々に
動悸 が始まり、息切れや呼吸困難などの症状 が強まっていく - 心臓の病気によって起こりうるような症状が出ることが多い
- 胸の痛み・締めつけ感
- 動悸
- 息苦しさ
- めまい
- 不安や
抑うつ 気分、緊張など、さまざまな精神症状も一緒に起こることがある
心臓神経症の検査・診断
- 身体診察や
問診 を念入りに行う - 心臓に問題がないことを確認することが重要
心電図検査 心臓超音波検査 (エコー 検査)胸部X線検査 (レントゲン 検査)
心臓神経症の治療法
- 治療の基本は
認知行動療法 - 心臓の検査の結果を正しく理解し、「心配しなくていいんだ」と納得することが何より重要
- 不安や
抑うつ が強い場合、薬物による治療を同時に行うこともある- 薬物療法
- ベンゾジアゼピン系
抗不安薬 - 抗うつ薬
- SSRI
- ベンゾジアゼピン系
- 生活習慣の改善
- 薬物療法
- 薬物治療を行ったからといって治るものではないので、心臓の病気に対する不安を取り除くための検査や説明をきちんと受けることが大切
心臓神経症の経過と病院探しのポイント
心臓神経症が心配な方
心臓神経症は、心臓自体に異常がないにもかかわらず、神経の異常によって心臓病と同じような症状を感じる状態を指します。胸が苦しい、痛い、心臓がドキドキする、冷や汗が出る、呼吸が荒くなる、めまいが生じる、手足がしびれるといった症状が典型的です。
このような症状は、気のせいではなく実際に生じますので、症状だけから心臓神経症なのか心臓自体の病気なのかを区別することはできません。心臓神経症にせよ心臓病にせよ、これらを疑うような症状が出現した際にはまず内科、あるいは循環器内科を受診して検査を受ける必要があります。
かかりつけの内科クリニックがあればそちらも良いですし、もし初診でかかるということであれば循環器内科のクリニックや、病院の外来が良いでしょう。心疾患の検査としては心電図が必須になるためです。場合によっては心エコーなどの検査も行われるかもしれません。
心臓神経症でお困りの方
もし心臓神経症と診断された場合はどのようにすれば良いのでしょうか。繰り返しになりますが、心臓神経症の症状は、気のせいではなく実際に生じているものです。その原因が心臓ではなく別の部分にあるというものを心臓神経症と呼びます。
原因は神経のバランスの問題であったり脳やこころの問題であったりさまざまですので、治療もそれぞれ異なってきます。自律神経失調症のような神経バランスの乱れが影響している場合には、規則正しい生活を目指すことで症状が軽減することがあります。寝る時間を一定にする、食事や仕事をできる範囲内で無理のない形にするなどです。また、強迫性障害が原因と考えられる場合には、専門の精神科医師による治療を受けることが勧められます。心臓神経症は薬を飲めば治るという病気ではなく、行動療法やカウンセリングが有効なことがあります。