すいじんしょう、すいにょうかんしょう
水腎症、水尿管症
尿管が何らかの原因で詰まって尿がうまく流れなくなり、尿管や腎臓に尿が溜まり拡がった状態
11人の医師がチェック 91回の改訂 最終更新: 2018.03.01

Beta 水腎症、水尿管症のQ&A

    水腎症の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    通常、尿は腎臓で作られ、尿管を通って膀胱に貯まり、その後に尿道から排出されます。そして、その腎臓→尿管→膀胱→尿道という経路のどこかで尿の流れが悪くなってしまうと水腎症が生じます。尿管に尿路結石(尿中の成分が結晶化したものです)が詰まったり、膀胱や尿道に腫瘍ができて通り道が塞がったり、といったことが原因になります。

    このように尿の通り道が塞がって行き止まりになってしまうことがあるのですが、それでも腎臓はしばらく尿を作り続けるため、腎臓から尿道にかけての尿路はパンパンに張って拡張してしまいます。このような状態を水腎症と呼びます。

    水腎症は、どんな症状で発症するのですか?

    数時間単位で水腎症が急に起こると、水腎症が生じた左右どちらかの背中やお腹が痛くなります。これは急に腎臓の中の圧が高まって神経が刺激されることが原因です。

    一方で、数週間以上などゆっくりと水腎症になった場合は、無症状のことが多く、健診などで指摘されて初めて気づくことが多いです。

    水腎症は、どのように診断するのですか?

    水腎症の診断は、主に超音波検査、CT検査で行います。腎臓から尿管にかけての部分が拡張していることが確認できれば、比較的容易に診断が可能です。このとき、尿路結石や腫瘍など、水腎症になっている原因も分かる場合があります。

    なお、レントゲンでは腎臓や尿路ははっきりと写らないため、水腎症の診断をつけることはできません。

    水腎症の治療法について教えて下さい。

    水腎症の治療で目指すのは、まず尿路の詰まりを解消することです。

    尿路結石が原因であれば、痛み止めを使用しているうちに自然と結石が流れ出ることがほとんどですし、神経因性膀胱といって、膀胱から先へ尿が流れなくなっているような場合には、薬剤によって尿を流れやすくすることができます。

    しかし、腫瘍などが尿管を圧迫しているのが原因の場合、根本的にはその腫瘍を手術で取らないかぎり水腎症が治らないというような場合があります。

    そのような場合には、尿管ステントや腎ろうと言って、原因はそのままにしておきながら対症療法で、とりあえず尿が流れるような処置を行うことがあります。尿管ステント、腎ろうについては、別の項目でご説明します

    水腎症の原因となる病気には、どのようなものがありますか?

    尿路に関係する様々な病気が、水腎症の原因となります。

    • 尿管(時に尿道)に結石が詰まってしまう(尿路結石症)
    • 尿管腫瘍
    • 尿管が狭くなる(尿管狭窄症、腎盂尿管移行部狭窄症)
    • 尿管の外にある腫瘍などが尿管を押しつぶししまう(各種がんのリンパ節転移、後腹膜線維症など)
    • 膀胱に尿が充満して、腎臓で作られた尿が膀胱に流れなくなってしまう(神経因性膀胱など)

    水腎症が重症化すると、どのような症状が起こりますか?

    水腎症の状態を放置すると、水腎症を生じている腎臓の機能が徐々に衰えてきます。すぐに対処できれば、再び腎臓は機能が改善するのですが、長期的にそのままになってしまうと、たとえ水腎症が改善したとしても腎臓の機能は低下したままになってしまいます。

    腎臓は老廃物を排泄するための臓器ですから、腎臓の働きが悪いということは、体内に老廃物が溜まってしまうということです。すると尿毒症と呼ばれる状態になって、全身がだるくなったり、意識が低下したりします。ただし、両側の腎臓が同時に水腎症になっていない限り、片方の腎機能が低下しても、反対側の腎臓がはたらいていれば、尿毒症になることはまれです。

    水腎症と腎盂腎炎は、どう違うのですか?

    水腎症は、尿の流れが悪くなって腎臓から尿管にかけて(腎盂)の部分が拡張した状態を指します。

    この水腎症と腎盂腎炎については、しばしば両方が併発することがあります。水腎症があると尿の流れが悪くなって、菌が繁殖しやすくなるためです。そして、その菌が腎臓に感染して炎症を起こした状態を腎盂腎炎と呼びます。