ぶんべんまひ
分娩麻痺
赤ちゃんがお母さんの体から出てくる際に、無理な姿勢で首が過度に引き伸ばされて、神経が損傷して起きる麻痺
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最終更新: 2018.12.12
分娩麻痺の基礎知識
POINT 分娩麻痺とは
分娩時に胎児が無理な体勢になって首が過度に引き伸ばされて、神経が傷つくことです。神経の傷つき方によっては麻痺が残ります。手や足が動かないなどの様子から麻痺に気づかれることが多く、診断が難しいときにはMRI検査を行われます。リハビリテーションや必要に応じて手術が行われるます。分娩時の無理な体制を避けるために帝王切開が検討されます。
分娩麻痺について
- 新生児が母の体から出てくる際に、無理な姿勢で首が過度に引き伸ばされて、首とつながる腕の神経が損傷することによって起こる
麻痺 - 分娩時に新生児の肩が産道に引っかかり、先へ進まなくなることがある
- それを助けようと首を横に(引っかかっている肩と反対に)引っ張ることが原因
- 大きな赤ちゃんに発生しやすい
分娩麻痺の症状
- 肩や肘、指などの
麻痺 が起こる - まれだが、横隔膜の麻痺が起こると
チアノーゼ 、呼吸数の増加、呼吸困難などが起こる - 1週間以内に麻痺が解消しない場合、その後も障害として残る場合がある
分娩麻痺の検査・診断
- 手足を動かさないなど、様子を観察して
麻痺 に気付くことが多い MRI 検査:神経の損傷の度合いを調べる- 診断がつかない場合に行うこともある
分娩麻痺の治療法
- 出生後、最初の1~2週間は腕を動かさずに安静にする
- リハビリテーション
- 主に関節
拘縮 (関節が硬くなること)を防ぐ目的で行われる - 幼児期まではリハビリを続ける必要がある
- 多くの場合は、継続することで回復に向かう
- 主に関節
- 手術
- 神経が完全に断裂している場合は、手術による神経の修復が必要となる
- 特に生後3か月で手首を曲げられない、または生後6か月で肘を曲げられない場合に行われる(完全断裂している場合)
麻痺 の状態によっては学童期に再び手術が行われることもある
- 予防、再発予防方法
- 巨大児の場合は帝王切開で分娩することで避けられる