なんちせいげりしょう
難治性下痢症
2週間以上続き、原因の特定や治療が難しい下痢のこと。先天的な病気が原因となることが多い
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最終更新: 2017.08.04
難治性下痢症の基礎知識
POINT 難治性下痢症とは
難治性下痢症は治療が難しい下痢が2週間以上続く状態です。生まれつき下痢をしやすい場合が多いですが、甲状腺機能亢進症や食物過敏性腸症候群などの病気で起こることもあります。主な症状は下痢・体重が増えない・成長が遅れるなどになります。 症状や身体診察に加えて、血液検査や便検査を用いて診断します。有効性の高い治療法はないことがほとんどですが、原因を回避するように努めたり消化しやすい栄養をとるように努めたりして下痢を予防します。難治性下痢症が心配な人や治療したい人は、小児科・消化器内科・総合内科などを受診して下さい。
難治性下痢症について
難治性下痢症の症状
難治性下痢症の検査・診断
- 便検査
- 食物過敏性腸症が疑われる場合は
アレルギー の原因となる食物を特定する必要がある - 必要に応じて
生検 を行い腸粘膜の異常を調べる - クリニテスト:便の酸性度を調べる
- 糖質が吸収できない場合に酸性化する
難治性下痢症の治療法
- 脱水症の治療を行った後、栄養療法を行うことが治療の基本
- 栄養療法はすでに消化された状態のタンパク質や
アミノ酸 の含まれた栄養剤を使用する
- 栄養療法はすでに消化された状態のタンパク質や
- 腸から栄養が摂れない場合は、点滴で静脈から栄養を摂る
細菌 感染が原因となっていることはほとんどないので、抗菌薬 (抗生物質 )を使用しても効果はない- むしろ腸内細菌叢(常在菌)を乱すため下痢は悪化する
先天性疾患 が原因の場合は下痢を予防するのは困難