がんかしゅよう
眼窩腫瘍
眼の奥の「眼窩」と呼ばれる場所にできた腫瘍。腫瘍が、眼を動かす筋肉や神経を圧迫し、眼の動きや視覚に障害を引き起こす
4人の医師がチェック 60回の改訂 最終更新: 2018.10.22

眼窩腫瘍の基礎知識

POINT 眼窩腫瘍とは

目の一番奥の場所を「眼窩(がんか)」といいます。眼窩には目を動かす筋肉や神経があるので、腫瘍ができると目の動かしづらさや視野が狭さを感じます。小どもではリンパ管腫や横紋筋肉腫が、大人では涙腺腫瘍や悪性リンパ腫が眼窩にできます。視覚検査や画像検査(頭部CT検査や頭部MRI検査)、病理検査を行い詳しく調べられます。腫瘍の種類やできた場所などによって手術や抗がん剤治療、放射線治療のいづれかが行われます。眼窩腫瘍の診療は眼科が中心になって行われます。

眼窩腫瘍について

  • 眼が入っている「眼窩」と呼ばれる場所に腫瘍ができた状態のこと
    • 腫瘍が、眼を動かす筋肉や神経を圧迫し、眼の動きや視覚に障害を引き起こす
  • 小児では、リンパ管腫横紋筋肉腫といった腫瘍が転移して起こることが多い
  • 成人では、涙腺腫瘍、悪性リンパ腫、眼窩炎性偽腫瘍が多い

眼窩腫瘍の症状

  • 視力が落ちてくる
  • 視野が狭くなる
  • 目の痛み
  • 眼球突出(目が飛び出して見える)
  • まぶたの腫れ
  • まぶたが下がってくる(眼瞼下垂)
  • 複視(物が二重に見える)
  • 流涙(涙が止まらない)

眼窩腫瘍の検査・診断

  • 視覚検査:視力、視野、目の動きなどを調べる
  • 画像検査:腫瘍の大きさや位置などを調べる
    • 頭部CT検査
    • 頭部MRI検査
  • 組織診:腫瘍を一部切り取り、種類や、良性か悪性かなどを調べる

眼窩腫瘍の治療法

  • 手術
    • 腫瘍摘出術
      • 腫瘍が悪性の場合は、周囲の組織も含めて広範囲を切除することが多い
      • 悪性腫瘍は再発することが多い
  • 薬物療法
    • 抗がん剤:腫瘍が悪性の場合に用いる
    • ステロイド薬
    • 消炎鎮痛薬の服用
  • 放射線治療

眼窩腫瘍のタグ

からだ

眼窩腫瘍に関わるからだの部位