しんせいじかんえん
新生児肝炎
新生児に起きる肝炎。胆汁(消化液の一種)の流れが悪くなることや、細菌感染などが原因となる
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最終更新: 2020.04.11
新生児肝炎の基礎知識
POINT 新生児肝炎とは
生まれたての新生児に起こる肝炎(肝臓に炎症が起こる病気の総称)のことです。出生5000−10000人に1人の割合で起こると言われています。原因としては、胆道閉鎖症(生まれつき胆汁が流れる道が閉鎖している病気)・感染症・内分泌疾患などが挙げられます。新生児肝炎の子どもには、体重増加不良・黄疸・肝腫大・灰白色便などの症状が見られます。これらの症状が見られる場合、近くの医療機関にかかるようにして下さい。検査や治療や専門的なことを行いますので、小児科や消化器内科をおすすめします。
新生児肝炎について
- 新生児に起きる肝炎で、原因が不明のもの
- 新生児期〜乳児早期で
発症 する - 胆汁(消化液の一種)の流れが悪くなって
黄疸 が出たり、肝障害が生じて肝臓の機能が低下する - 出生5000-10,000人に1人程度の割合で起こる
- かつて原因不明で「新生児肝炎」と診断されていた人の中に種々の遺伝性・
代謝 性疾患が隠れていたと考えられ、最近の診断技術の向上により、原因不明の「新生児肝炎」の割合は減少している - 以下に挙げるような、胆汁の流れが悪くなる他の疾患でないことを確認するのが大切
- 胆道閉鎖症
感染症 に伴う胆汁うっ滞 (サイトメガロウイルスなど)- 遺伝性
家族性 肝内胆汁うっ滞症 - 代謝疾患(シトリン欠損による新生児肝内胆汁うっ滞など)
先天性疾患 (Alagille症候群など)- 内分泌疾患(甲状腺機能低下症など)
新生児肝炎の症状
- 生後2か月以内に
黄疸 、肝腫大 、クリーム色の便がみられる - 体重が増えない
新生児肝炎の検査・診断
- 血液検査:肝機能などを調べる
- 手術が必要な胆道閉鎖症を否定することが大切
- 肝胆道排泄
シンチグラフィ 腹部超音波検査
- 肝胆道排泄
- 必要があれば、原因検索のために肝
生検 を行う(肝臓の組織を一部とって検査する)
新生児肝炎の治療法
- 栄養管理、脂溶性
ビタミン (A、D、E、K)の補充、胆汁の排泄促進剤の使用 - 長期的な経過
- 新生児の多くでは、生後3~6か月以内に
黄疸 が改善する - 1歳になる頃には肝臓の機能は回復する
- 新生児の多くでは、生後3~6か月以内に
- 肝硬変、肝不全に進行した場合は肝移植が検討される