皮膚真菌症の基礎知識
POINT 皮膚真菌症とは
真菌(かび)が皮膚の感染を起こす病気のことで、大半が白癬菌やカンジダの感染になります。感染源に直接触れることで感染が広まります。主な症状は、皮膚が赤くなったり痒くなったりすることや皮膚がぼろぼろになったりすることです。まれに皮膚の感染が悪化して真菌が血液の中に侵入することがあり、この場合は重症になるので軽い皮膚の感染でも早めに治すことが大切です。 診断を下すために皮膚の組織の一部を採取して顕微鏡で観察します。治療では、患部を清潔に保つことと抗真菌薬の塗り薬の塗布を行います。皮膚真菌症が心配な人や治療したい人は、皮膚科や感染症内科を受診して下さい。
皮膚真菌症について
- 真菌(かび)が皮膚に感染して起こる病気を皮膚真菌症という
- 大半は白癬菌またはカンジダが原因
- 主な原因
- 感染源と直接触れる
- 患者と患部が接触することで感染する
- 環境中に散布された菌と触れる
- プール・銭湯・スリッパ・帽子・タオルなどに存在する菌で感染する場合がほとんどである
- 動物が持っていることがありペットを介して感染することもある
- 高温、多湿の環境で発症、悪化しやすい
- 以下の2タイプに分けられる
皮膚真菌症の症状
- 症状は病気によって異なる
- 白癬菌の感染では、皮膚の角層や爪、毛で症状が出やすい
- 皮膚の皮がぽろぽろ剥ける
- 爪が厚くもろくなる
- 毛が抜ける など
- カンジダは基本的に常在菌であるが、免疫力が落ちたり、多湿環境で不潔にすると症状が出る
- 陰部や指の間や爪の間の皮膚が剥ける
- 陰部や指の間や爪の間の皮膚に水ぶくれができる など
- 血流にカンジダが感染すると、重篤な状態になり命にかかわる
- 点滴の針がある人に感染が起こりやすい
- 血流感染では目にも感染が起こることがあり、眼科で目の状況を診てもらうことが重要
- 白癬菌の感染では、皮膚の角層や爪、毛で症状が出やすい
皮膚真菌症の検査・診断
- 顕微鏡検査:皮膚の組織を顕微鏡で観察して、病原菌があるかを調べる
皮膚真菌症の治療法
- 原則的には皮膚のみであれば抗真菌薬の塗り薬による治療を行う
- 部位や症状によっては抗真菌薬の飲み薬による治療も行う
- 予防、再発予防方法
- 入浴し、せっけんで洗う
- 患部を清潔にし、乾燥させる
- 家族に感染者がいる場合、スリッパ、タオルなどを共有しない
- 自覚症状が消失しても菌が残っている場合もあるため、見た目がよくなっても少し長めに治療をする
- 家族全員が治療を受けることが必要な場合もある
皮膚真菌症に関連する治療薬
抗真菌薬(皮膚外用剤)
- 真菌(かび)を障害する抗真菌作用により、白癬菌やカンジダなどの感染による症状を改善する薬
- 皮膚真菌症は真菌(かび)が皮膚に感染しておこり、その多くは白癬菌やカンジタなどが原因となる
- 白癬症は白癬菌による皮膚感染症で、足、爪、頭部など感染する場所は様々
- 本剤は真菌を障害する作用(抗真菌作用)をあらわす外用薬
- 剤形に軟膏剤、クリーム剤、液剤などがあり、薬剤によっては用途などに合わせた選択が可能な場合もある。
皮膚真菌症の経過と病院探しのポイント
皮膚真菌症が心配な方
皮膚真菌症は、水虫(白癬菌)、カンジダ、癜風といったような真菌が原因となる皮膚の感染症の総称で、体の皮膚にさまざまな変化が生じます。白くまたは赤くなったり、皮がむけたり、他の部位と比べてがさつきが増したりといった症状があります。見た目だけでは真菌が原因かどうかの診断が確定できないため、はがれた皮膚を採取して顕微鏡で観察します。
ご自身の皮膚症状が真菌によるものでないかと心配になった時には、お近くの皮膚科のクリニックで相談してみることをお勧めします。白癬症やカンジダ感染症は皮膚科の中でもメジャーな病気の一つです。悩む前に診察を受けて、診断をはっきりさせた方が治療に取り組みやすくなります。
また、皮膚疾患によく用いられるステロイド系の軟膏は、真菌症に対しては逆効果となるためその意味でも正しい診断を得ることが重要です。
皮膚真菌症の治療については抗真菌薬を使用することが多いですが、飲み薬や塗り薬、またその他の治療も含めて様々ですので、詳細はそれぞれのページをご参考になさってください。
この記事は役に立ちましたか?
MEDLEY運営チームに、記事に対しての
感想コメントを送ることができます
皮膚真菌症が含まれる病気
皮膚真菌症のタグ
皮膚真菌症に関わるからだの部位
