じんじょうせいはくはん
尋常性白斑
生まれた後に皮膚の色が抜け、皮膚が部分的に白くなる病気。明らかな原因は分かっていないが、外見上の問題以外の症状はない
4人の医師がチェック 84回の改訂 最終更新: 2022.04.13

尋常性白斑の基礎知識

POINT 尋常性白斑とは

皮膚の色が抜けて、部分的に白くなる病気のことです。皮膚の中にあるメラニンを作る細胞がなくなることが原因だと考えられています。皮膚色の変化以外に症状はありませんが、他の病気でも同じような症状が現れることがあるので、尋常性白斑との区別が必要になります。治療ではステロイド薬やビタミンD3などの飲み薬が中心になり、効果が乏しい場合には免疫抑制薬を使ったり皮膚移植をすることもあります。美容的には皮膚に色を一時的に小麦色にする薬で対応することもできます。尋常性白斑が心配な人は皮膚科を受診してください。

尋常性白斑について

  • 生まれた後に皮膚の色が抜け、部分的に白くなる病気
    • 皮膚の中にあるメラニンを作る細胞がなくなることで起こる
  • 原因は明らかにされていないがさまざまな説がある
    • 色素を作る細胞を殺してしまう細胞ができるという説
    • 神経の異常が原因であるという説
    • 皮膚で色素を作る細胞が壊れるという説
  • 日本国内全人口の1%程度が発症すると言われている
  • 白斑が出る部位によって大きく3つに分類される
    • 非分節型(non-segmental vitiligo; NSV)
      • 1つの神経が支配する皮膚の領域と関係なく白班が出現する
      • 指趾顔面型(acrofacial)、2病変部以上の粘膜型(mucosal)、汎発型(generalized)、全身型(universal)、混合型(mixed)がある
    • 分節型(segmental vitiligo; SV)
      • 神経の支配する皮膚の領域に一致するように身体の片側に生じる
      • 複数の神経支配領域に白班が出ることもある
    • 未分類型(undetermined / unclassified vitiligo)
      • 限局性に1か所のみに生じた白斑
      • 限局型(focal)と1病変のみの粘膜型(mucosal)がある
  • 症状は似ているが、区別する必要がある他の疾患

尋常性白斑の症状

  • 皮膚の一部が白くなる
    • 白くなる部分の場所や大きさはさまざまである
  • 頭が白斑になると、その部分が白髪になることもある

尋常性白斑の検査・診断

  • 診断のための特別な検査はない
    • まれに甲状腺の検査をしたら、甲状腺の病気が見つかることもある

尋常性白斑の治療法

  • 飲み薬
    • ステロイド薬
    • ビタミンD3
    • タクロリムス:免疫抑制薬
  • 紫外線照射
  • 移植手術
  • セルフタニング剤(肌を小麦色にする薬)を塗る

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