りゅうざん
流産
何らかの原因によって妊娠22週未満で妊娠が継続できなくなること
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最終更新: 2018.12.16
流産の基礎知識
POINT 流産とは
22週間未満で妊娠が継続できなくなることです。胎児の染色体や遺伝子の異常が原因のことが多いですが、母体の喫煙や飲酒、肥満、カフェインの摂取も原因になることあります。流産の徴候にはお腹の張りや不正出血があり、疑われる場合には診察や超音波検査が行われます。流産した場合は母体や妊娠の状況によって、経過観察・子宮内容除去などの中から適切な方法が選ばれます。
流産について
- 何らかの原因によって妊娠22週未満で妊娠が継続できなくなること
- 主な原因
- 初期流産の原因の多くは胎児の染色体や遺伝子の異常
- 生活習慣も流産の1つの原因とされている(以下が流産率が1.5-2倍上昇する目安と言われている)
- 喫煙(>10本/日)
- アルコール(>2杯/日)
- 肥満(BMI>30kg/m2)
- カフェイン(>2〜3杯/日)
- 過度なストレスも流産の原因の1つである
- 原因による分類
- 人工流産:いわゆる人工妊娠中絶
- 自然流産:人為的な手段によるものではない、自然に起きる流産
- 症状による分類
- 切迫流産:胎児心拍がみられるが、子宮収縮、性器出血などがみられている状態
- 稽留(けいりゅう)流産:胎児は死亡している、もしくは妊娠7週以降になっても胎児心拍が確認できない状態。出血、腹痛などの症状がなく、子宮内容物(胎児や胎盤など)が出てきていない状態
- 進行流産:出血や腹痛がはじまり、子宮内容物が外に出てこようとしている状態
- 完全流産:子宮内容物がすべて自然に出てしまった状態
- 不全流産:子宮内容が出始めているが、まだ一部は子宮内に残っている状態
- 化学流産:尿や血液検査では妊娠を数値が上昇する(HCG測定)が超音波検査では胎嚢が確認できずに流産に至る状態
- すべての妊娠の15%前後が流産に至る
- すべての流産の約80%は妊娠12週未満に起きている
- 加齢は重要な流産のリスク因子でる
- 35歳以下では流産率が10-15%であるのに対し、40歳代では40%まで上昇する
- 12週以降の流産の場合:死産届けが必要、出産育児一時金の支給対象となる
流産の症状
- 胎盤が安定してくる妊娠中期よりも、胎盤が不安定な妊娠初期に症状が出やすい
- 出血
- お腹の張り痛み
流産の検査・診断
- 超音波検査(エコー検査)
- 胎嚢の有無、大きさ、胎児の心拍の有無などを確認する
- 自然排出された胎のう、絨毛などで診断がつく場合がある
- 自宅で流産かなと思った場合は捨てずに、まずは病院へ連絡してみる
流産の治療法
- 妊娠12週未満の稽留流産、不全流産、進行流産の場合
- 待機的管理(陣痛が自然に始まるのを待つ)
- 外科的治療(子宮内容除去術)
- 妊娠12週未満の完全流産の場合
- 経過観察となる場合が多いですが、大量出血をした場合は子宮内容除去を行うこともある
- 12週以降の流産の場合
- プレグランディン腟坐剤を用いた分娩誘発を行う
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