がいいんがん
外陰がん
女性の外陰部にできる皮膚がんの一種
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最終更新: 2022.04.01
外陰がんの基礎知識
POINT 外陰がんとは
外陰(女性器の一部分)にできたがんです。ヒトパピローマウイルス感染や炎症性疾患(硬化性苔癬など)が発病に関与していると考えられています。初期症状はほとんどありませんが、外陰部にしこりができたり出血したりすることがあります。外陰がんが疑われた人には視診や画像検査などを行われ、がんの広がりが調べられます。外陰がんは進行度に応じて手術や抗がん剤、放射線のうち適したものが選ばれます。外陰がんが心配な人は婦人科を受診してください。
外陰がんについて
- 女性性器の
外陰部 にできる皮膚がんの一種 - 少なくとも2つの原因が考えられている
ヒトパピローマウイルス 16型18型 (HPV ) の感染- 比較的若い人に発生
- 硬化性苔癬(外陰部などに硬い
発疹 が数多くできる)などの炎症 性疾患
- 特殊なものとして、
外陰 パジェット病が知られている - 年間100万人あたり10人前後
- 50歳以降、特に60代以降に多い
- 外陰がんになりやすい人の特徴
- ヒトパピローマウイルスに感染したことがある人
- 性器疣贅になったことがある人
- 多くのセックスパートナーのいる人
- 最初の性交が若年であった人
外陰がんの症状
- 特に初期においては
症状 が出ないことも多いので、気づいた時には病気が進行していることもある - 主な症状
- しつこく続くかゆみ
- 腫瘤(しこり)
- その他の起こりうる症状
慢性的 にうずくような痛み- 不正出血
- おりものに血が混ざる
- 症状の説明
- 初期の段階では、症状に気付かない場合も多い
- 徐々にかゆみが続くようになり、腫瘤(しこり)ができてくる
がん が進行してきて潰瘍 ができると、痛みや排尿時に灼熱感などを感じるようになる
外陰がんの検査・診断
- 早期の診断に不可欠なのは、注意深く
外陰部 の状態を調べること 組織診 :腫瘍 の一部を切り取り、腫瘍ががん でないか調べる
外陰がんの治療法
がん の大きさや周囲の臓器への進展、リンパ節転移 の有無などによって4つの進行期に分けられ、それぞれ治療方法は異なる- 比較的早期のがんは主に手術が検討される
- 広汎
外陰 切除+周囲のリンパ節 の切除
- 広汎
- 中期以降のがんは、主に手術と
放射線療法 や化学療法 などと組み合わせた治療が検討される- 広汎外陰切除
- 骨盤内臓全摘術
- 放射線療法
- 化学療法(抗がん薬)
- 予防、再発予防方法
- 原因がはっきりしていないため、外陰がんを予防する確実な方法はいまだ確立されていない
- 長期的な経過
- 早期の段階では、経過は比較的良好
- 進行期3期以降、経過は不良傾向にある
- リンパ節への
転移 の有無が想定される経過を決める大切な因子
- 初期のがんであっても、リンパ節への転移が起こりやすいので、
外陰部 に違和感を感じることがあればすぐに婦人科へ相談に行くことが重要
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