にっこうかくかしょう
日光角化症
日光などの紫外線を浴び続けて来たことによって発症する皮膚の変化。有棘細胞がんの初期変化として考えられている
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最終更新: 2022.03.25
日光角化症の基礎知識
POINT 日光角化症とは
紫外線の影響で起こる皮膚の変化で、有棘細胞がんの初期の変化として考えられています。痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんどなく、皮膚のかさつきや赤み、発疹などが主な症状です。見た目で湿疹等と区別が難しいことが多いので、病気が疑われる皮膚の一部を切り取り顕微鏡で調べます。日光角化症であった場合には手術によって病気の部分が切除されます。凍結療法や軟膏の塗布などでも治療はできますが、病気が複数ある場合や病気が皮膚の深くまで及んでいる場合には手術の方がよいと判断されることがあります。日光角化症の予防は紫外線の皮膚への影響を少なくすることにあり、具体的には日焼け止めのクリームの使用や衣服による保護です。日光角化症が心配な人は皮膚科を受診してください。
日光角化症について
日光角化症の症状
- 痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんどない
- 主な皮膚の症状
- 皮膚の表面がカサカサして赤くなる
- かさぶたができる
- 径1-3cmの円形で輪郭のぼやけた
発疹
- 顔面や手の甲など日光のよく当たるところに発生しやすい
- 老人性のいぼと間違われることが多い
日光角化症の検査・診断
生検 :皮膚を一部とって顕微鏡検査で診断する- 見た目だけでは普通の湿疹やしみなどと区別しにくいため、皮膚の一部を切り取って顕微鏡で調べる
日光角化症の治療法
- 基本的な治療は外科的な治療とそれ以外に分けられる
- 外科治療
- 手術による切除
- 取りきることができる
- 一部皮膚の深いところまで浸潤していることが疑われる場合は特に手術が勧められる
- 手術による切除
- 非観血的治療(手術以外)
- 凍結療法
- イミキモド(商品名ベセルナクリーム)
- 5-FU軟膏
- 多発することもあり、手術で取りきることが現実的でない場合も多い
- 薬物療法でも多くのケースで完治が期待できる
- 塗り薬の副作用で皮膚があれて
びらん 、痛みが出ることがあるが、治療に伴うものであるため頻度 を調節して継続する
- 予防法
- 直射日光を避け、紫外線を浴びすぎないことが予防の基本
- 日焼け止め(SPF20以上)
- 色が濃く長袖の衣類
- 日傘
- 帽子(つばの長いもの)
- 治ったように見えても繰り返すことが多く、新しくできることもあるので、定期健診が勧められる
- 直射日光を避け、紫外線を浴びすぎないことが予防の基本