だえきせんえん
唾液腺炎
唾液を作る器官(唾液腺)に、何らかの原因で炎症が生じた状態の総称。
9人の医師がチェック 70回の改訂 最終更新: 2017.12.06

唾液腺炎の基礎知識

POINT 唾液腺炎とは

唾液腺は唾液を作る臓器であり、耳の下の耳下腺、顎の下の顎下腺などがあります。唾液腺に腫れや痛みを伴う炎症を起こしたものが唾液腺炎です。原因は感染、唾液腺にできた石や腫瘍での唾液の詰まりなどがあります。ムンプスウィルスが原因のものを流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)と呼びます。口の中にいる細菌が口の中から唾液腺の中に入り、感染の原因になることもあります。診断は腫れている部分の診察と、必要に応じて血液検査やCTや超音波などの画像検査を行います。治療は流行性耳下腺炎の場合は、解熱鎮痛薬などで経過観察を行います。細菌感染の場合は抗菌薬で治療します。一般の内科、口腔外科や耳鼻咽喉科で治療可能です。

唾液腺炎について

  • 唾液を作る器官(唾液腺)に、何らかの原因で炎症が生じた状態の総称
  • 唾液の機能(食べものを飲み込みやすくする、でんぷんの消化、口の中の殺菌、舌の動きを良くする)が低下する
  • 50-60歳代に多い
  • 主な原因

唾液腺炎の症状

  • 炎症がある部分の痛み
  • 慢性的な口の中の乾燥
  • 発熱
  • 寒気
  • 唾液の減少

唾液腺炎の検査・診断

  • 腫れている部分が、唾液腺であるどうかを確認する
    • 他の器官の炎症と間違いやすいため注意が必要
  • 血液検査:全身の炎症がどの程度起こっているのかを調べる
  • 培養検査:血液や唾液腺の分泌液を培養して細菌の有無を調べる
  • 画像検査
    • 超音波検査検査
    • 頭部CT検査
    • 頭部MRI検査

唾液腺炎の治療法

  • 主な治療
    • 細菌の感染に対して抗菌薬を使う
    • 症状が悪化するとを出す手術が必要
  • 予防、再発予防方法
    • 水分補給
    • 唾液の分泌を助けるものの摂取(梅干し、レモン果汁、飴玉など)
    • 温湿布
    • 唾液腺マッサージ
    • 口の中を清潔に保つ

唾液腺炎の経過と病院探しのポイント

唾液腺炎が心配な方

唾液腺炎は耳の下や顎の下の腫れ、痛みや発熱が特徴です。流行性耳下腺炎おたふく風邪)も唾液腺炎の一つです。これらのような症状に該当してご心配な方は内科のクリニック、もしくは耳鼻科、口腔外科の受診をお勧めします。

唾液腺炎の診断は、基本的には診察で行います。腫瘍など他の病気が疑わしい場合には頭部CTや頭部MRIを行うこともありますが、あまり最初の診察時点で行うような検査ではありません。

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唾液腺炎でお困りの方

唾液腺炎の治療は、その原因によって変わってきます。流行性耳下腺炎おたふくかぜ)が原因で唾液腺炎になることがありますが、そのような場合は解熱薬などの対症療法のみで、自然に回復してくるのを待ちます。そうでなくとも、抗生物質など内服薬で治療できるものがほとんどです。
このような内服治療であれば、一般的な内科のクリニックで行える治療です。特殊な原因のものや、他の病気と見分けがつきづらいもの、あるいは通常の治療で治らないものなどの場合には、口腔外科を受診すると良いでしょう。

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