きゅうせいこきゅうきゅうはくしょうこうぐん(えーあーるでぃーえす)
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
全身で激しい炎症が起こったことが原因で肺もダメージを受け、急激に呼吸状態が悪化すこと
10人の医師がチェック 147回の改訂 最終更新: 2024.02.17

Beta 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)についての医師コメント

ARDSは急速に肺が全体的に障害されて、ひどい呼吸不全になる状態を示します。したがって、原因となる疾患は様々であり、誤嚥性肺炎や細菌性肺炎などもともと肺にご病気がある場合もあれば、食道癌や消化管穿孔の手術後、尿路感染症からの敗血症など肺にまったく関係のない病気によって引き起こされる場合もあり、結果として急速に進行する重度の呼吸不全の総称といえます。治療は大きく2つに分けられ、①原因はなんであれ、肺の状態を改善させる ②原因をできるかぎり突き止めて原因疾患の治療を行う ということになります。①に関しては、体に酸素が取り込めない状態をなんとか改善しないといけませんので、人工呼吸器を装着したり、様々な薬を投与したりしますが、これをやれば良くなる!という治療法が確立されていないのが現状です。もし、①がうまくいったとしても、原因が解明されていなければ再度呼吸状態が悪化する可能性は高いですので、②の原因追究というのは①の治療と並行して行う必要があります。
とはいえ、ARDSはとても治療が難しい病気の一つであり、死亡に至るケースも少なくありません。改善するとしても治療期間は長くなることが多い病気です。


匿名協力医師
患者さんへのメッセージ
2015.05.15