かんしん(あせも)
汗疹(あせも)
汗を原因とする皮疹のことで、湿疹を伴った場合はかゆみが出現する
14人の医師がチェック 147回の改訂 最終更新: 2022.03.29

汗疹(あせも)の基礎知識

POINT 汗疹(あせも)とは

いわゆる「あせも」です。汗を原因とする皮疹です。皮膚の中には汗を皮膚の表面まで運ぶ管(汗管)があり、これが汗によって詰まると小さな水ぶくれや赤みが現れます。汗疹になると、刺激を感じやすくなったり痒みを感じたりします。特に治療をしなくても治ることが多いのですが、長引く場合は感染を起こしていることがあります。予防法としてはこまめに汗の処理をすることや極端に暑い環境を避けることなどが有効です。汗疹の治療などについて相談したい人は皮膚科を受診してください。

汗疹(あせも)について

  • 汗が皮膚の中(汗腺)にとどまることにより生じる皮疹
    • 医学的には汗疹(かんしん)と言う
    • 汗を皮膚の表面まで運ぶ狭い管(汗管)が詰まることにより、小さなみずぶくれや赤みが出る
  • あせもには大きく3つの型がある
    • 水晶様汗疹:皮膚表面の角層で汗管がふさがる
    • 紅色汗疹:表皮有棘層(皮膚の少し深いところ)で汗管がふさがる
    • 深在性汗疹:さらに深い真皮内で汗管がふさがる
  • 水晶様汗疹ではかゆみはないが、それより深いところ(紅色汗疹、深在性汗疹)ではかゆみがでる
  • あせも自体は炎症ではないが、接触性皮膚炎やその他の湿疹を同時に起こしていることもある
  • あせも細菌の感染を起こすと、エクリン汗孔炎(多発性汗腺膿瘍)になる
    • 皮膚を掻いて表皮が損傷した場合に起こりやすい

汗疹(あせも)の症状

  • 主な症状
    • 小さい水疱
    • 皮膚の刺激感
    • かゆみ
  • 汗疹の型による個別の症状
    • 水晶様汗疹
      • 1-3mmほどの水疱が多発する
      • 水疱に痛みやかゆみなどの症状はないことが多い
    • 紅色汗疹
      • 赤い丘疹が多発する
      • チクチクする痛みや、軽いかゆみが現れることがある
    • 深在性汗疹
      • なだらかに隆起した発疹が敷石状に多発する
      • 発疹は赤みを伴わない

汗疹(あせも)の検査・診断

  • 問診、視診
    • 診断自体に検査は必須ではない
    • その他の病気が考えられる場合に、下記のような検査を適宜行う
  • 細菌感染が加わっている場合
    • 細菌検査:細菌の培養を行い、菌の種類や抗菌薬の感受性を調べる
  • 組織診
    • 必要に応じて皮膚の一部を切りとって調べることによって、他の病気と区別する

汗疹(あせも)の治療法

  • 治療法は汗疹の型や症状によって変わってくる
    • 水晶様汗疹
      • 汗を拭いたり洗い流して肌を清潔に保つことで自然に治る
    • 紅色汗疹
      • ステロイド外用薬
    • 深在性汗疹
      • なるべく汗をかかない環境で安静に過ごす
    • 疱性汗疹汗疹黄色ブドウ球菌が感染している場合)
      • 抗菌薬の内服を行う
  • 予防
    • 皮膚を涼しく乾いた状態に保つ
    • ボディーパウダーや制汗剤が役に立つ
    • 夏場の暑い時期などはエアコンで温度を調節できる環境で、汗を多くかく状態を避ける

汗疹(あせも)の経過と病院探しのポイント

汗疹(あせも)が心配な方

汗疹は皮膚に生じる疾患の一つで、汗の出る汗腺が詰まってしまい、出口がなくなって皮膚が内側からぼつぼつと膨らみを作った状態です。軽症の汗疹であればシャワーなどで清潔に保つことで改善が期待できます。しかし症状が強い場合(深い部位での詰まりの場合)にはステロイドの軟膏薬などがより有効です。

汗疹の診断は特別な検査を行うことなく、経過と診察結果のみで診断します。皮膚にぶつぶつができて赤くなっている場合など、ご自身の症状が汗疹でないかと心配になった時には、初期であれば清潔にして治らないか様子を見てみるのも一つの手でしょう。改善がないような場合には診断が異なる可能性もありますので、一度お近くの皮膚科クリニックを受診することをお勧めします。汗疹はクリニックでも大病院でも、検査の精度や治療方針には差が出ない病気の一つです。症状が辛い中、大病院で長時間待つよりは、クリニックで素早く診断をつけてもらい、自宅で安静にするのも一つの選択肢です。

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汗疹(あせも)でお困りの方

治療を受けても汗疹を繰り返してしまう場合には、薬剤ではなくこまめに汗を拭き取るといった対応も重要です。汗をそのままにしていると水分が蒸発しますが、その際に汗の老廃物だけが皮膚に残ります。この老廃物が固体となって汗の出口を塞いでしまうためです。汗をかいたらそれが乾く前に拭き取ったり、衣服を着替えたりすることが有効です。また、大人であれば暑い環境での作業量、運動量を控えめにしたり、お子さんであれば冷房を活用したりすることで汗疹の治りは良くなり、また予防できるようになります。

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