かたけんばんそんしょう
肩腱板損傷
肩関節を安定させる筋肉の集まりである「腱板」が損傷した状態
6人の医師がチェック 76回の改訂 最終更新: 2017.12.06

Beta 肩腱板損傷のQ&A

    肩腱板損傷の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    腱板とは、肩にある腱で、肩甲骨と上腕骨(腕の骨)を結んでいます。腱板は、肩関節を安定して動かすために必要なものです。肩腱板損傷は、この腱板が損傷した状態のことをいいます。原因は、転んだ時に手をついたり、肩を強く打ったりなど、けがによるものと、明らかな外傷はなく、老化により損傷するものとがあります。腱板は骨と骨の間に挟まれる場所にあるため、長年腕を使っていると、すり減ってくる場合があります。

    肩腱板損傷と五十肩の違いについて教えて下さい。

    五十肩も肩に痛みがでる疾患ですが、肩の動きが固くなり、固まったようになることが特徴です。肩腱板損傷は、一般的に、肩が上げにくかったり、力が入りにくくなることが多いです。

    肩腱板損傷が発症しやすくなる、または肩腱板損傷の人が他に注意すべき病気はありますか?

    けが以外での発症は、肩の使い過ぎが原因です。野球のピッチャーや、肩をよく使う仕事の人は、なりやすいとされています。また、女性よりも男性がなりやすく、40歳代以降でなりやすいといわれています。

    肩腱板損傷は、どんな症状で発症するのですか?

    肩腱板損傷の主な症状は、肩の痛みです。特に、痛みで夜目が覚める、眠れないと訴える患者さんが多いです。その他にも、肩を上げにくかったり、動かすときに肩から音がする(軋轢音)ことがあります。

    肩腱板損傷は、どのように診断するのですか?

    まず、問診で、肩の動きや痛みをみます。肩腱板損傷が疑われれば、MRI検査やX線(レントゲン)検査を行います。腱は、X線(レントゲン)画像には映らないため、MRI検査で、損傷があるか調べます。X線(レントゲン)検査は、骨折や他の怪我がないか調べるために行います。

    肩腱板損傷の治療法について教えて下さい。

    治療方法は、主に保存療法と手術療法の2つがあります。保存療法では、けがによって損傷した場合は、三角巾で1~2週間ほど安静にします。肩の痛みに対しては、肩関節にステロイドや痛み止めの注射をします。また、腱板を鍛える運動も行います。腱板は、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋といった肩甲骨まわりの筋肉からできています。これらの筋肉を鍛えることで、腱板の機能が保たれ、肩が安定して動かせるようになります。手術療法では、保存療法で肩の痛みや動きが改善しなかった場合に選択されます。損傷した腱をつなぎ合わせる手術をします。

    肩腱板損傷に関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。

    肩腱板損傷は、日常生活での肩の使い過ぎが原因のひとつです。日ごろから、肩のストレッチや運動を行い、肩をほぐしておくことが大切です。運動するときは、運動前後に準備体操を行いましょう。

    肩腱板損傷は、完治する病気ですか?あるいは、治っても後遺症の残る病気ですか?

    一度損傷してしまった腱は、完全には元に戻りません。しかし、損傷していない部分を鍛えることで、肩の痛みや動きを改善することはできます。医師や理学療法士の指導のもと、腱板を鍛える運動を行いましょう。

    肩腱板損傷の手術には、どんな種類がありますか?

    主に、関節鏡視下手術(内視鏡を使った手術)と直視下手術(肩を切り開いて行う手術)があります。関節鏡視下手術は、手術の傷が小さく済むため、痛みが少なく、術後の回復も早いことが特徴です。直視下手術は、損傷の程度が大きく、関節鏡視下手術では手術が難しい場合に行います。近年では、関節鏡視下手術の技術が向上しており、以前は直視下でしかできなかったような手術も、関節鏡視下で行えるようになってきています。医師と相談し、手術方法のメリット、デメリットを考えながら、手術方法を決めましょう。

    肩腱板損傷のリハビリに関して、自宅で行える運動はありますか?

    腱板は、肩甲骨周りの筋肉(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)からできています。これらを鍛える運動が必要です。前ならえをした状態で、手をお腹に近づけるように閉じたり、逆に開いたりする運動や、腕を体の脇に垂らした状態から横に挙げる運動などで、これらの筋肉が鍛えられます。ゴムチューブ等を使うと負荷をかけながら行えます。

    一般的に、肩の痛みが強い場合や、怪我をした直後は、安静にする必要があります。医師や理学療法士と相談し、自宅で運動を行ってよいか、どのような運動が良いかをよく相談し、正しい方法で運動しましょう。


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