くるびょう
くる病
多くがビタミンDの不足によって、骨がきちんと作られない病気。子どもの骨の成長に異常が起こる
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最終更新: 2019.10.23
くる病の基礎知識
POINT くる病とは
ビタミンDの不足によって骨が正常のように作られない病気のことです。先天性の病気に加えて、低体重児に多い傾向にあります。骨が変形しやすいので、O脚になったり肋骨の形が変化したりします。くる病が疑われる人に対しては、レントゲン検査によって骨の異常が調べらます。骨の変形が進む前に治療を始めることが大切で、対症療法として痛み止めの内服や必要に応じて手術も検討されます。くる病は整形外科や小児科で診療されます。
くる病について
- 多くが
ビタミンD の不足によって、骨がきちんと作られない病気で、子どもの骨の成長に異常が起こる - 原因
ビタミン D欠乏:最も頻度が高い- 完全母乳母乳育児の場合に、そうでない場合よりも、くる病になる頻度が高くなることが知られている
- 母親が十分にビタミンDを摂取する、母児ともに適度な日光浴をする、離乳食が始まったらビタミンDが豊富に含まれる食材を与えるなどの対応を取る
アレルギー 対策などのための制限食を続けることによるビタミンD摂取の不足にも注意が必要
- ビタミンDの合成障害
- ビタミンD受容体の異常
- 血液中のリン低値
- 腎
尿細管 障害 - 尿細管性アシドーシス
- 副甲状腺機能亢進症
- 遺伝性
- 頻度
- 国内では増加傾向
低出生体重児 に特に頻度が高い
- 病気の知識
- リン欠乏により低リン血症性くる病になることがある
- ビタミンDの作用不全によりビタミンD欠乏症およびビタミンD依存症が
発症 - 骨端線閉鎖前の小児期に発症したものは「くる病」、骨端線閉鎖後に発症したものは「骨軟化症」と呼ばれる
くる病の症状
- 骨、歯の異常
- 骨が変形しやすく、O脚になる
- 肋骨の変形
大泉門 が閉じるのが遅れる- 肋骨の形が変形したり、歯が生えてくるのが遅れたりする
くる病の検査・診断
レントゲン (X線 写真)検査:骨の形状を調べる- 血液検査:血液中の
ビタミンD やリン、カルシウムの値が異常になっていないかなどを調べる
くる病の治療法
- 骨の変形が進行する前に治療することが大事
- 主な治療
- 内服治療と外科的治療がある
- 活性型
ビタミンD が用いられる - 骨が変形している場合は、必要に応じて骨切術という手術で骨の変形を矯正する必要がある
- 活性型
- 低リン血症性くる病の場合
- リンとビタミンDの内服に加え、低身長の場合は成長
ホルモン の投与を行う - 抗FGF23
抗体 というタイプの新薬:ブロスマブ(商品名クリースビータ)が2019年9月に承認された
- リンとビタミンDの内服に加え、低身長の場合は成長
- 内服治療と外科的治療がある
- 予防、再発予防方法
- 遺伝以外のくる病の多くは予防できる
- 日光を浴び、カルシウム、リン、ビタミンDを含む食材を積極的にとる