こつなんかしょう
骨軟化症
成長期に骨が作られる過程で十分に石灰化されず、骨が弱くなる成人の疾患
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最終更新: 2022.03.22
骨軟化症の基礎知識
POINT 骨軟化症とは
成長期に骨が作られる過程で、骨が十分に固まらずに脆くなる病気のことです。原因として最も多いのが、ビタミンDの不足です。偏った食事や日光にあたる時間が少ないこと、腸の病気などによってビタミンDの欠乏が起こります。骨軟化症になると、脚や腰、骨盤、肋骨に鈍い痛みを感じます。また、骨以外への影響としては血液中のカルシウム不足によって不整脈やしびれ、けいれんが起こります。血液検査やレントゲン検査、病理検査(病気の骨の取り出して顕微鏡でみる検査)によって診断が行われます。治療ではビタミンDやカルシウム、リンを内服します。骨軟化症が疑われ人は整形外科や内分泌内科で診療が行われます。
骨軟化症について
- 成長期に骨が作られる過程で十分に石灰化されず、骨が弱くなる成人の疾患
- 小児期にみられる場合は「くる病」と診断される
- 主な原因
- 原因として最も多いものは、
ビタミンD の不足- ビタミンDはカルシウム吸収を助ける
- ビタミンDが不足すると骨の強度を維持するカルシウムを処理できなくなるため、骨の強度が低下する
- ビタミンDの不足を起こす原因
- 偏った食事
- 日光にあたる時間が少ない
- 腸の疾患(うまくビタミンDを吸収できない)
- てんかん治療に使われる薬が原因となる可能性もある
- 原因として最も多いものは、
骨軟化症の症状
- 主な
症状 - 骨の痛み、特に足の付け根(股関節)の鋭い痛み
- 脚・腰・骨盤・肋骨に及ぶ鈍い痛み
- 筋力低下による歩行異常
- カルシウム不足による以下の症状
- 不整脈
- しびれ
- 手足のけいれん
- 症状の説明
- 骨が弱くなり、骨折しやすくなる
- 骨に痛みが出たり、骨についている筋肉が弱くなったりする
骨軟化症の検査・診断
- 血液検査:血清カルシウム、リン、アルカリホスファターゼ (ALP)などを調べる
レントゲン 検査:骨の萎縮 や変形などを調べる組織診 :骨の組織を採取し、骨軟化症の診断を行う
骨軟化症の治療法
- 主な治療
ビタミンD 、カルシウム、リンの経口サプリメントを利用
- 予防、再発予防方法
- ビタミンDの不足を防ぐ
- 適度の日光を浴びる
- 食事によってバランスよく栄養素を摂取する
骨軟化症に関連する治療薬
活性型ビタミンD3製剤
- 小腸からのカルシウム吸収を促進させ、骨量の減少を抑え骨粗しょう症による骨折などの危険性を低下させる薬
- 骨粗しょう症では骨を壊す細胞と作る細胞のバランスが崩れ骨がもろくなってしまう
- ビタミンDは活性型ビタミンD3となると、小腸からのカルシウムの吸収を促進させ骨量の減少を抑える
- 本剤は体内で活性型ビタミンD3とほぼ同様の作用をあらわす
- 続発性(二次性)副甲状腺機能亢進症や副甲状腺機能低下症などに使用する薬剤もある
カルシウム製剤
- 体内にカルシウムを補充し、骨粗しょう症、高リン血症、消化器症状などを改善する薬
- カルシウムは体内で骨を強くする作用、リンを体外へ排泄する作用、胃酸に対する制酸作用などをあらわす
- 本剤はカルシウムを含有する製剤で、製剤毎の特徴などによって色々な疾患・症状に使用する
- 本剤は主に有機酸系カルシウム製剤と無機系カルシウム製剤に分かれる