あいじーえーけっかんえん(へのっほしぇーんらいんしはんびょう)
IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)
アレルギー反応により全身の毛細血管に炎症が起こり、全身にむくみが起きたり、内出血が起こる病気。多くの場合は、自然に治る。
18人の医師がチェック 227回の改訂 最終更新: 2022.03.24

IgA血管炎の原因について:IgAとは何か

IgA血管炎は血管に炎症が起こることで出血したような発疹紫斑)、腹痛、関節痛などが起こる病気です。血管に炎症が起こる過程ではIgAという物質が関わっており名前の由来ともなっています。ここではIgAとは何か、なぜ異常なIgAが作られるのかについて説明しています。

1. IgA血管炎の原因とは?

IgA血管炎は血管に炎症が起こることでぷつぷつとした紫の発疹(紫斑)、腹痛、関節痛などが起こる病気です。IgAという物質が血管に沈着することで炎症が引き起こされると考えられています。

2. そもそもIgAとは何なのか?

私たちの身体には「免疫」といって外敵が身体に入った時に駆除する仕組みが備わっています。免疫に関わる重要な物質に抗体があり、IgAは抗体の一つです。

免疫は通常、自分の身体は攻撃しないように制御されているので、身体に反応する抗体も生成されません。しかし、IgA血管炎の人では血管に沈着するIgAが生成され、血管に対する免疫反応が起きてしまいます。

3. なぜ血管に反応するIgAができてしまうのか?

血管に反応するIgAができるメカニズムについて、はっきりとは分かっていません。ただ、上気道炎かぜ)や消化器感染症を起こした後に発症することが多いことから、感染症が原因となっている可能性が考えられています。具体的には、感染症にかかるとウイルス細菌を退治するために抗体が作られますが、その中に血管と反応するIgAが混ざってしまう(間違えて作られてしまう)のではないかという説です。

参考文献

・厚生労働科学研究費補助金・難治性疾患等政策研究事業, 難治性血管炎に関する調査研究「IgA 血管炎」(2019/11/1閲覧)