E型肝炎の基礎知識
POINT E型肝炎とは
E型肝炎ウイルスによる感染症です。豚のレバー・イノシシ肉・鹿肉の生食で感染することが多いです。主な症状は、発熱・倦怠感(だるさ)・腹痛・食欲低下などになります。 E型肝炎ウイルスの抗原検査を用いて診断します。治療の特効薬はありませんが、多くの場合は特別に治療しなくても回復します。しかし、たまに重症になるので、その場合は血漿交換療法などを行うことが多いです。E型肝炎が心配な人や治療したい人は、消化器内科や感染症内科を受診して下さい。
E型肝炎について
E型肝炎ウィルス が肝臓内で増殖し、肝臓の細胞を壊す病気- 不衛生な食物や水などを摂取することで感染する
- 生の豚レバー、イノシシ肉、鹿肉からの感染が多い
- 上下水道が整備されていない発展途上国に多い
- たいていの場合は
慢性的 に感染することはないが、劇症肝炎など重症化するケースがまれにある
E型肝炎の症状
E型肝炎の検査・診断
- 血液検査:抗原の有無などを調べる
E型肝炎ウイルス に反応する項目を検査
- 必要に応じて
ウイルス の遺伝子を見つける検査も行う
E型肝炎の治療法
- 特別な治療はなく、安静にすることで
治癒 する- 必要に応じて点滴など
対症療法 が行われる
- 必要に応じて点滴など
- 劇症肝炎が起こると非常に重症になってしまうので、
血漿交換 や肝移植などの集中治療が必要となる
E型肝炎の経過と病院探しのポイント
E型肝炎が心配な方
E型肝炎は、主に飲食物、特に衛生状態の良くない国の水道水や、国内でもイノシシやシカなど野生の動物の肉やレバーを生で摂取することで感染、発症するケースが多いです。E型肝炎はだるさや熱、時に黄疸といった症状が現われます。自然の経過で治りますが、基本的には入院した上で治療が行われます。
海外旅行の数週間から2か月後ごろにこのような症状が出たら、E型肝炎の可能性があります。もし心当たりがあれば、近くの内科、もしくは消化器内科のクリニックを受診することをお勧めします。
E型肝炎でお困りの方
E型肝炎では、B型肝炎、C型肝炎のように慢性肝炎(肝炎ウイルスが体内に残り続けること)に移行することはありません。症状が治まってしまえばその後は治療不要となりますが、それまでの間に劇症肝炎といって急激に症状が悪化する病態が生じないかを見守ることが必要です。劇症肝炎は、特に妊婦に多いことが知られています。特にE型肝炎の治療法があるわけではないのですが、安静にすることと、もし劇症肝炎に進行したとしても早期に対応するために入院の上で治療を行います。
E型肝炎については、診断がつき次第その場で治療が開始されますし、治療の方法にもバリエーションが少ないため、どのような治療をどこで受けるかと迷う余地は少ない病気かもしれません。