きゅうせいこうまくかけっしゅ

急性硬膜下血腫

怪我が原因で、硬膜下(硬膜と脳の間のスペース)で出血している病気。出血量が多くなり脳を圧迫すると、手足の動かしづらさや意識が悪いといった症状があらわれる

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12人の医師がチェック 89回の改訂 最終更新: 2017.04.10

急性硬膜下血腫の基礎知識

急性硬膜下血腫について

  • 怪我が原因で、硬膜脳や脊髄を包む3層の膜(髄膜)のうち、最も外側にある厚い膜。頭蓋骨のすぐ内側にある下(硬膜と脳の間のスペース)で出血している病気
    • 頭の片側にできる。時に両側にできることもある
    • 出血が多く脳を強く圧迫する場合には命の危険があり、救命のために緊急の手術が必要となる
  • 主な原因
    • 交通事故や転落などで頭を強く打つこと
    • 高齢では、比較的軽い打撲打ち身のことでも起こりうる
  • 血腫体の中にできた血のかたまりのこと。何らかの原因で体内に出血した場合に生じるの量によっては、救命ができても意識が戻らない、寝たきりになるなどの後遺症を残す場合がある

急性硬膜下血腫の症状

  • 出血量が少なく軽症の場合には、自覚症状が無いこともある
  • 出血量が多い場合
    • 強い頭痛
    • 呼びかけに反応しない
    • 瞳孔が大きくなる
    • 手足の麻痺神経の障害により、手足などに十分な力が入らない、感覚が鈍くなるなど、身体機能の一部が損なわれること症状が出る
    • これらの症状が、頭を打った直後や、数分〜数時間後に出現する
    • 時間とともに症状が変化していくので、症状が悪化してこないか注意して観察する
  • 頭のけがの中でも重症な病気であり、治療を行っても後遺症が残ることがある

急性硬膜下血腫の検査・診断

  • 頭部CT検査X線(放射線)を用いて頭の中の状態を調べる検査。脳出血や水頭症の確認などに使われることが多い:出血の量や脳がどのくらい圧迫されているかなどを調べる
    • 交通事故や転落で頭を打ち、意識が悪いときに行う
    • 手術の必要性や緊急性を判断する
    • 病状がどう変化していくかの予測をある程度立てることができる

急性硬膜下血腫の治療法

  • 出血の量が多く症状が重い場合は手術が行われる
    • 症状が軽い場合、手術は必要ではない
    • 最も重症で脳幹脳の深い部分にある、生命維持に不可欠な部分。脳幹には生命維持装置があるため、脳卒中などでここが損傷をうけると、死に至る場合があるという脳の中でも生命中枢を司る部分の細胞が死滅してしまっている場合には手術は行われない
  • 手術
    • 血腫体の中にできた血のかたまりのこと。何らかの原因で体内に出血した場合に生じる除去術
      ・血腫がある側の頭皮を大きく切り、頭蓋骨の一部を外して、硬膜脳や脊髄を包む3層の膜(髄膜)のうち、最も外側にある厚い膜。頭蓋骨のすぐ内側にあるの下の血腫を吸引して除去する
      ・出血している部位があれば止血を行う
    • 外減圧術
      ・手術後脳が腫れることが予想される場合に、外した頭蓋骨を戻さない状態で頭皮を縫合医療用の針と糸を使って、傷を縫い合わせることする
      ・頭蓋骨が一部ないので、脳が腫れても圧力を逃げていき脳の圧迫されにくくなる
    • 緊急穿孔穴が開くこと。例えば胃や腸の粘膜にできた潰瘍が悪化すると、やがて穴が空いて穿孔に至る
      ・急激に意識状態が悪化していく場合に、手術室に行く前に救急外来で行うことが多い
      ・頭蓋骨と硬膜に2cm程度の小さな穴をあけ、圧力を逃がすことで救命を試みる
      ・圧力を逃がすと少し時間の猶予が生まれるので、その後手術室に行って通常の血腫除去術を行う

急性硬膜下血腫の経過と病院探しのポイント

急性硬膜下血腫かなと感じている方

急性硬膜下血腫は頭を強く打ったときに生じます。症状は頭痛や嘔吐、意識障害意識に異常が生じた状態の総称で、もうろうとした状態や、不適切な反応をする状態、一切の反応がない状態など多段階の症状が含まれるなどがありますが、同じように頭部の打撲打ち身のこと発症症状や病気が発生する、または発生し始めることするくも膜下出血脳挫傷といった病態病気の状態や、その病気の原因・発生機序などを指して用いられる言葉と症状から区別がつかず、頭部のCTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査を撮影しないと診断をつけることができません。

上記のような症状に該当してご心配な方は脳神経外科(脳外科)のある病院がでの受診をお勧めします。手術については、一般的には専門医、もしくはそれに準ずる経験のある医師が行うことが多いでしょう。

急性硬膜下血腫の診断はCTで行います。国内の総合病院内科、外科、小児科、産婦人科など主要な科が揃っている病院のこと。現在、明確な定義はないであればほとんどのところにCTの設備がありますので、診断のために特別な病院を選択しなければならない、ということはありません。

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急性硬膜下血腫でお困りの方

急性硬膜下血腫の根本治療としては、頭蓋骨に穴を空けたり、頭蓋骨の一部を切り外したりして、内部に溜まった血液を洗い流す手術(穿頭、または開頭血腫除去術)を行います。溜まった血液をしっかりと取り除くことができれば大半の症状は改善します。

溜まった血液の量が少ない場合には手術を行わずに様子を見ます。この場合、自然に血液が吸収されてなくなるのを待つことになります。しかしそうでない場合には緊急で手術を行います。平日の日中であれば良いのですが、土日祝日や夜間は院内に残っているスタッフが少ないため、緊急で手術を行える病院と、そうでない病院があります。ある程度の規模の病院や、脳外科手術の手術件数が多い病院の方が、時間外の緊急手術により迅速に対応できるところが多い傾向にあります。

急性硬膜下血腫が大きなものであった場合、手術までに時間がかかってしまった場合、急性硬膜下血腫以外に脳挫傷など他の損傷も加わっていた場合などは、手足や顔面の機能に残念ながら後遺症が残ってしまうことがあります。この場合、脳の機能回復を目指してリハビリテーションが必要となります。急性期病院病気の発症直後の検査や治療に特化した病院。24時間体制で診療を受け付けているが、慢性期病院と役割を分担しており、病状が安定してきてからの診療は専門としていないから回復期病院急性期病院で治療を受けて病状が安定した後に、リハビリテーションを主体とした治療を行うための病院リハビリ病院急性期病院で治療を受けて病状が安定した後に、リハビリテーションを主体とした治療を行うための病院療養型病院病気の発症直後ではなく、病状が安定してきてからの検査や治療に特化した病院。急性期病院と役割を分担しており、発症直後の診療は専門としていない)に転院して、リハビリに専念することが多いです。

急性期病院にも一般的にリハビリの施設はついていますが、回復期病院の方がリハビリに専念しやすい環境が整っています。一緒にリハビリを行うことになるのは理学療法体の障害に対して、動かしたり、電気や熱で刺激したりすることを通じて行う治療。理学療法士はPT(Physical Therapist)と呼ばれる士、作業療法士、言語聴覚士といったスタッフです。患者さん一人あたりのスタッフ数や、リハビリ設備(リハビリ室や器具)の充実度といったところが病院を選ぶ上で参考になります。リハビリの回数が1日1回なのか、それとも午前と午後で2回あるのか、1日に受けられるリハビリの総時間、土日はどうかといった点は、回復期の病院を探す上でのポイントとなります。

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