いんふるえんざ
インフルエンザ
インフルエンザウイルスに感染することで、高熱やのどの痛み、関節・筋肉の痛みなどが引き起こされる感染症。毎年冬場に流行する
39人の医師がチェック 336回の改訂 最終更新: 2024.11.05

インフルエンザの症状:発熱、頭痛、関節痛、風邪との違いなど

インフルエンザにかかると発熱や頭痛、関節痛などの症状が出ます。38度以上の高熱になることも多く、発症から熱のピークまでが短いのが特徴です。インフルエンザワクチンには症状を悪化させない効果が期待できます。

1. インフルエンザの症状の特徴

インフルエンザの代表的な症状は発熱です。高熱が出ることもあり、他にも様々な症状が見られます。しばしば見られる症状は次の通りです。

  • 発熱
  • 寒気
  • 頭痛
  • 関節痛
  • 筋肉痛
  • 鼻水
  • 喉の痛み

インフルエンザは発熱が最初の症状になることが多く、熱が出始めてから1日以内に38度を上回ることもよく見られます。急激に症状が現れることが多いですが、治るまで症状が軽いままの人もいます。特にワクチンを打っている人では、インフルエンザに特徴的ではない軽い症状が現れることがあります。

2. インフルエンザは自己判断できるか

インフルエンザかなと思ったら、次のポイントをチェックしてください。

  • インフルエンザが自分の周囲で、あるいは全国的に流行している
  • 38度以上の高熱がある
  • 寒気、頭痛、関節痛、筋肉痛といったインフルエンザに特徴的な症状のどれかがある

3つの条件全てに当てはまればインフルエンザの可能性は高いといえます。ただし自己診断は正確ではありません。当てはまらないインフルエンザもありますし、他の原因でもインフルエンザに似た症状は現れるので症状に困っているときは受診するとよいです。

特に次のような場合はあまり考え込まずに医療機関を受診することをお勧めします。

  • 息苦しさがある
  • 意識がぼんやりする

インフルエンザを診断するうえで最も信頼できるのは、診断に慣れた医師による診察です。外来で行われる簡易検査キットの信頼性はさほど高くありません。症状や流行状況などの背景からインフルエンザらしいと判断されれば検査は省略されることもあります。

3. インフルエンザA型とB型の症状の違い

例年インフルエンザA型は12月から1月頃に、B型は2月から3月頃に流行することが多いです。A型もB型も同じウイルス属ですので症状の差についてはさほど明確なデータはありませんが、B型のほうが下痢や吐き気などお腹に関係する症状が出やすいという意見もあります。

4. 風邪とインフルエンザの症状の違い

風邪とは鼻や喉など空気の通り道(上気道)にウイルスが感染した状態を指し、急性上気道炎とも呼びます。インフルエンザも上気道にインフルエンザウイルスが感染した状態なので、この観点から考えるとインフルエンザは風邪に含まれます。つまり、インフルエンザと風邪は同じものということです。風邪の中でも症状の強い類のものと考えることができます。

インフルエンザと、インフルエンザウイルス以外による風邪を症状だけで完全に見分けることはできません。大まかな傾向として次のことが言えます。

  • インフルエンザでは38度以上の高熱が出やすい
  • インフルエンザは発症から熱のピークに至るまでの時間が短いことが多い
  • 咳、喉の痛み、鼻水など上気道の症状以外に、怠さや筋肉痛、関節痛など全身の症状が出やすい

症状としては上記のようなことが参考になります。実際にインフルエンザを診断する際には、いまインフルエンザが流行しているか、インフルエンザの人と接触があったかも重視されます。

参考文献:Pediatr Infect Dis J . 2015 Oct;34(10):1056-62.

5. 子どもがインフルエンザにかかった時の症状

子どものインフルエンザでは大人のインフルエンザと比較して下記のような特徴があります。

  • 熱が高くなりやすい
  • 喉の痛みや鼻汁などが出やすい
  • 下痢や嘔吐など、お腹関係の症状が出やすい
  • 首などのリンパ節の腫れが目立ちやすい

子どもの首にグリグリ(リンパ節の腫れ)ができると「がんではないか」と心配になるかもしれませんが、インフルエンザなどのウイルス感染症が原因ならばすぐに治るので大事と考えなくて大丈夫です。

参考文献 Pediatr Infect Dis J . 2009 May;28(5):372-5. doi: 10.1097/INF.0b013e318191eef7.