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再発した前立腺がんのホルモン療法は放射線療法の効果を増強できるか?
760人の長期治療で検証

from The New England journal of medicine


再発した前立腺がんのホルモン療法は放射線療法の効果を増強できるか?の写真

写真はイメージです。本文の内容とは関係ありません。 (C) didesign021- iStock


ホルモン療法は前立腺がんの治療法のひとつです。手術後の再発にも有効とされます。再発後に放射線治療と組み合わせることで効果を向上できるかを検証する研究が行われました

ホルモン療法の効果について、『New England Journal of Medicine』に報告された研究を紹介します。

この研究では以下の基準を満たす、再発した前立腺がんの患者が対象とされました。

  • 最初に見つかった前立腺がんの進行度がT2またはT3
  • リンパ節転移なし
  • 前立腺全摘除およびリンパ節切除の手術後
  • PSA値0.2-4.0ng/ml(生化学的再発)

対象者760人はランダムに2グループに分けられ、再発後の治療を受けました。

  • 放射線治療に加えてビカルタミドによるホルモン療法を24か月行うグループ
  • 放射線治療に加えて偽薬を24か月飲むグループ

治療後の経過が長期間追跡され、ホルモン療法の有無によって生存率に違いがあるかが検討されました。

 

治療後の追跡により次の結果が得られました。

生存している患者のフォローアップ期間は中央値13年だった。

生命保険数理法による12年時点での全生存率はビカルタミド群で76.3%、対して偽薬群で71.3%だった(死亡のハザード比0.77、95%信頼区間0.59-0.99、P=0.04)。

女性化乳房はビカルタミド群の69.7%に記録され、対して偽薬群では10.9%だった(P<0.001)。

追跡期間は半数の人で13年以上となりました。

治療開始から12年後の生存率は、偽薬のグループで71.3%、ビカルタミドのグループで76.3%であり、ビカルタミドのグループのほうが生存率が高くなりました

副作用の可能性があることとして、ビカルタミドのグループでは69.7%の人に女性化乳房が現れました。

 

研究班は結論として「放射線治療のサルベージのため、ビカルタミド連日投与による抗アンドロゲン療法を24か月追加した結果、放射線治療に偽薬を加えるよりも、長期の全生存率が有意に高く[...]なった」と主張しています。

 

放射線療法とビカルタミドの併用の効果を調べた研究結果を紹介しました。

12年後の生存率が71.3%から76.3%に向上という結果であり、前立腺がんの再発後の余命を伸ばすため、ビカルタミドが役に立つ場面があるかもしれません。

なお、ここでは生存率の計算のために、より正確とされるカプランマイヤー法ではなく、古典的な手法である生命保険数理法が使われています。また、生存率の信頼区間の上限は0.99と、統計的に効果が確認できるかどうかの境界である1に非常に近い数値になっています。研究開始時にもっと多くの対象者が参加していれば、よりはっきりした数値が出た可能性もある一方、まれな副作用が目立ってきた可能性もあります。

前立腺がんは進行が遅く、早期に発見されていれば長年付き合うことになるのが特徴です。治療の目的として余命を長くすることはもちろん大切ですが、長年治療を続けることによる負担も無視できません。何を優先するかは個人の価値観が関わるため、主治医とよく話し合って自分に合った治療方針を決めることが大切です。

◆参照文献

Radiation with or without Antiandrogen Therapy in Recurrent Prostate Cancer.

N Engl J Med. 2017 Feb 2.

[PMID: 28146658 ]

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*本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。 [執筆者一覧]



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