2016.05.23 | ニュース

高血圧の人が減塩すると頭痛も減った

975人の研究から

from American journal of public health

高血圧の人が減塩すると頭痛も減ったの写真

片頭痛は食べ物と関係しています。また、極端な高血圧は頭痛の原因にもなります。高血圧の人には減塩が勧められますが、頭痛にも効果はあるのでしょうか。実際の高血圧の人を対象に研究が行われました。

◆高血圧の人が減塩

ここで紹介する研究は、以前にアメリカで行われた研究のデータを改めて解析したものです。対象者は60歳から80歳で高血圧の人975人でした。

対象者はランダムにグループに分けられ、食事のナトリウム量を減らす(減塩する)グループ、食事制限をしないグループとされました。

対象者は最大3年間追跡されました。その間の検査データから、減塩によって頭痛の頻度に違いがあるかが統計解析されました。

 

◆1日2.3gの減塩で頭痛が40%減

減塩をするグループでは、尿に排泄されるナトリウムの量が1日あたり平均38.8mmol少なくなりました。この量は食事から食塩を1日あたりおよそ2.3g減らしたことに相当します。

その結果は次のようになりました。

頭痛の発生率は、対照群(14.3%)に比べてナトリウム制限介入群で有意に低く(10.5%)、ハザード比は0.59だった(95%信頼区間0.40-0.88、P=0.09)。頭痛のリスクは、最近の血圧とは独立に、フォローアップ期間の平均ナトリウム排泄量と有意に関連した。

減塩をしたグループのほうが、頭痛の頻度が40%程度少なくなりました。尿のナトリウム量が少ない、つまり食事の塩分が少ない人のほうが頭痛が少なくなっていました。

 

頭痛を引き起こす食べ物は人によってもさまざまですが、塩分に気を付けてみると役に立つ人がいるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Lower Sodium Intake and Risk of Headaches: Results From the Trial of Nonpharmacologic Interventions in the Elderly.

Am J Public Health. 2016 Apr 14. [Epub ahead of print]

[PMID: 27077348]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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