2016.03.20 | ニュース

更年期で眠れない女性に、鍼治療の効果

31件の研究から

from Obstetrics and gynecology

更年期で眠れない女性に、鍼治療の効果の写真

閉経の前後にはホルモンのバランスが変わり、更年期障害のさまざまな症状が現れます。睡眠障害もそのひとつです。鍼治療で睡眠を改善することができるのか、これまでの研究報告がまとめられました。

◆鍼治療で閉経前後の睡眠は改善するか?

研究班は、関係する文献を検索して集めることで、鍼治療が閉経前後から閉経後の女性の睡眠に及ぼす効果を調べました。

見つかった31件の研究から、体内のホルモン量についての情報も集めました。

 

◆睡眠とホルモンに効果あり

次の結果が得られました。

鍼治療は睡眠の妨害の尤度の有意な減少(オッズ比0.21、95%信頼区間0.14-0.31)、血清エストラジオール分泌量の有意な増加(プールした平均差7.56pg/ml、95%信頼区間4.03-11.08)、血清FSH分泌量の減少(-6.75mIU/ml、95%信頼区間-12.16から-1.34)、LH分泌量の減少(-2.71mIU/ml、95%信頼区間-4.22から-1.20)と関連した。

鍼治療によって、眠れない状態の改善が見られました。また、閉経によって減少するホルモンのエストラジオールは鍼治療によって増加し、閉経によって増加するホルモンのFSHとLHは鍼治療によって減少すると見られました。

研究班は「この結果は、鍼治療が閉経前後または閉経後の女性における睡眠の妨げを改善するための多様式のアプローチの一部として採用されるべきであることを示唆する」と結論しています。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Acupuncture to Reduce Sleep Disturbances in Perimenopausal and Postmenopausal Women: A Systematic Review and Meta-analysis.

Obstet Gynecol. 2016 Mar.

[PMID: 26855097]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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