2015.11.02 | ニュース
妊娠中に喫煙していた人の子どもに、3歳以降で現れた違いとは?
横断的研究により検証
from Pediatric obesity

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喫煙は、身体に様々な悪影響を及ぼすことが知られています。妊婦さんの喫煙は自分の身体のみならず、生まれてくる子どもにも影響を及ぼす可能性があります。今回、妊娠中の喫煙と3-10歳の子どもの肥満などの関連について調べました。
◆母親の喫煙と子どもの肥満の関連を検証
研究には、ポルトガルにおける学童児の横断データ(2009-2010年)が用いられました。
方法は以下の通りです。
私たちは、すべての年齢範囲にわたる母親の喫煙と肥満(17,286人)、血圧、安静時の脈拍数(約2,500人)の関連を調べるために、出生前と若年性の要因を調整した分位点回帰を適用した。
◆妊娠中の喫煙で子どもの肥満が増加
結果を以下に示します。
喫煙者の子どもと非喫煙者の子どものBMIの中央値は、男児で0.39km/m2(95%信頼区間:0.25-0.53)、女児で0.46 km/m2(95%信頼区間:0.31-0.62)の差があった。
この結果は、妊娠中に喫煙をしていた母親の子どもは、喫煙していなかった母親の子どもよりBMI(身長÷体重の2乗)が大きかったことを示しています。
研究の結果は、妊婦の喫煙が子どもの肥満に影響がある可能性を示しています。しかし、喫煙そのものが肥満の直接的な原因であるか否かは、今回の研究から断定することは出来ないため、結果の解釈には注意が必要かもしれません。
執筆者
参考文献
Maternal smoking in pregnancy association with childhood adiposity and blood
pressure.
Pediatr Obes. 2015
[PMID: 26178147]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。