◆オンライン診療群と診療所群にランダムに振り分け
アトピー性皮膚炎の子どもと大人計156人を、最初に皮膚科医のいる施設で診断されたあと、皮膚科医にオンライン(インターネット上)で診療を受け薬の処方も受ける群と、皮膚科医のいる施設へ行き診療を受ける群にランダムに分けました。
診療前後のアトピー性皮膚炎の重症度を評価し、効果を検証しました。
◆オンライン診療も診療所での診療も効果は同等
以下の結果が得られました。
2群間のPOEMスコアの変化の差は0.24(標準偏差6.59)(90%信頼区間-1.70から1.23)であり、事前に決定した同等性マージンである2.5の範囲内であった。
2群間の完治または完治に近い状態を達成した割合の差は5.1%(90%信頼区間1.7%-8.6%)であり、事前に決定した同等性マージンである10%の範囲内であった。
アトピー性皮膚炎に対するオンライン診療と診療所での診療では、その重症度に対する効果は同等であるという結果でした。
筆者らは、「直接的なオンラインケアは、慢性的な皮膚疾患の患者に対する皮膚学的なサービスを提供する革新的なモデルの代表となるかもしれない」と述べています。
今回は、皮膚疾患に対するオンライン診療の効果を検証した研究でした。画像や問診情報などをインターネット上で送ることができる社会になり、疾患によってはオンライン診療の効果を検証した研究報告も見られるようになってきました。 もちろん実現には検証されるべき課題はまだあると思いますが、個人情報の安全性なども踏まえたうえで、今後の展開に期待したいです。
執筆者
Patient-centered, direct-access online care for management of atopic dermatitis: a randomized clinical trial.
JAMA Dermatol. 2015 Feb
[PMID: 25338198]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。