未熟?若手?入院したら出会うかもしれない「研修医」とはどのような存在なのか | MEDLEYニュース
2021.11.22 | コラム

未熟?若手?入院したら出会うかもしれない「研修医」とはどのような存在なのか

患者さんへ適切な医療を届けるため日々勉強に励んでいます
未熟?若手?入院したら出会うかもしれない「研修医」とはどのような存在なのかの写真
(c)milatas-stock.adobe.com

病院に行ったとき、出会うかもしれない研修医。そんな研修医と聞くと、みなさんはどういった印象を持つでしょうか。

もしかしたら研修医が病院でどんな役割を持っているのかイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。「若手」「未熟」といった印象を持つ方もいると思います。

今回は、研修医歴半年の私が、病院における研修医の存在について経験談をもとにご紹介します。

 

研修医はどこにいる?

医師国家試験に合格し医師免許を取得した後、最初の2年間は厚生労働省の定めた臨床研修指定病院で「初期研修医」として働きます。指定病院は、大学病院やある程度の病床数のある市中病院であることが多いので、大きな病院に縁のない方では研修医を見ることはないかもしれません。

研修医は2年間で内科、外科、小児科、産婦人科、救急科、麻酔科…などさまざまな診療科を巡り学びます。病院ごとに研修プログラムは異なりますが、いち診療科あたり1-2か月で回ることが多いです。

 

研修医の主な業務は、外来業務ではなく入院患者さんを診ることです。

研修医は上級医(研修医を指導する医師)の下について、担当患者さんが振り分けられます。朝には患者さんの体調を確認して、上級医に伝え、治療方針を相談します。また、患者さんの体調に変化があったとき、看護師さんから最初に連絡を受けるのは研修医のことが多いです。

研修医になったばかりの頃は、何もかもほかの人に聞かないと判断できず、患者さん、ほかの医師、コメディカルとの連絡を取り繋ぐ伝書鳩に過ぎませんでしたが、慣れてくると自分で対応できることも増えてきます。

 

研修医もれっきとした医師ではあるが...

私が働きはじめた半年前の4月、正直なところ、自分の中にある引き出しは医師国家試験のために覚えた知識だけでした。「検査結果が〇〇ならば××という病気が考えられる」、「Aという病気に対してBという薬を使う」という程度の知識です。しかし、これだけでは実際に診療するには不十分で、患者さんのもとに薬を届けることすらできません。

薬はどのくらいの分量を一日に何回飲めばよいのか、カルテ上でどうやって処方すればよいのか、医師は看護師や薬剤師に何を伝えればよいのか、などといった実務の初歩から勉強します。

カルテの使い方を学び、より詳しい医学知識を身につけ、そして多くの医療者との連携をとることで、ようやく患者さんに治療を届けることができます。

 

医師として患者さんと初めて向き合う

学生の時にも医療現場を経験するカリキュラムはありました。医学部では卒業前の2年程、附属の大学病院で病院実習をします。しかし、同じように白衣を着て病院を歩いていても、研修医になってからは医師として働いているという責任を重く感じるようになりました。また、医学生の間はあくまでも立場は学生であり、患者さんのもとに行って会話したり、医師の業務を隣で見たりすることはあっても、患者さんの治療方針の決定に直接関わることは少ないのが現状です。採血などの手技も同様で、シミュレーターで採血の練習をしたことはあっても、患者さんに採血をしたことはないという医学生がほとんどだと思います。

そんな医学生も、卒業すると患者さんからは「先生」と呼ばれ、病気のことを聞かれるようになります。最初は、経験の浅さから自分の言葉に自信が持てず、自信の無さが言い回しや表情に出てしまっていたような気がします。手技も然りで、はじめて採血をしたときは、不安な表情を浮かべながら何回か刺しなおさせてもらいました。それでも、自分の説明で患者さんが納得してくれたり、感謝の気持ちを言ってくれたりしました。

患者さんから見たら研修医も医師の一員であり、医師にしかできない仕事をしているのだという責任感を感じました。

 

上級医から、先輩から、同期から学ぶ毎日

ということで、働きはじめたばかりの研修医は上級医に手取り足取り教えてもらいながら、成長していきます。1年多くの経験を積んでいる1学年上の研修医から教わることも多いですし、同期とはお互いに採血や点滴をとりあったり、勉強会を開いたり、共に日々学んでいます。

上級医と比べると、研修医は経験が浅いですし、未熟なのはたしかです。点滴をうまくとれないなど、患者さんに申し訳なく思う経験もたくさんありました。

でも、研修医にしかない利点もあると考えています。それは、フットワークの軽さです。上級医は、外来や研究、外勤(他病院で勤務するため不在となる)など、入院患者さんを診る以外の仕事も増えてきます。一方で、研修医の業務は入院患者さんを診ることが中心です。病棟にいる時間が長い分、患者さんのもとにすぐに駆けつけることができます

入院患者さんは複数の医師から成るチームで診ていることが多く、チーム内で相談して治療方針が決まるので、研修医が得た情報はチーム内で共有されます。ですから、駆けつけた医師が研修医であっても、「若手医師に言っても無意味だろう」と思わずになんでも伝えてください。病気のことはもちろん、一見病気に関係なくても構いません。気になることがあれば、気軽に相談していただけると嬉しいです。

時間が足りなくてベテラン医師に伝えそびれてしまったようなことでも、研修医になら伝えられると思いますし、それが治療にとって大切な情報であることもあります。

また、さまざまな診療科の患者さんから話を聞くことで病気に対する理解が深まり、将来一人前の医師になった時により良い医療を届けられるようになると考えています。

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。