2016.06.13 | ニュース

脳卒中の歩行にロボットトレーニングは有効?

4週間の練習効果を検証
from NeuroRehabilitation
脳卒中の歩行にロボットトレーニングは有効?の写真
(c) Matc13 - iStock

脳卒中のリハビリテーションでは、歩く練習としてロボット型のスーツのようなものを身に付けて行う練習方法があります。慢性期の脳卒中患者さんを対象にロボットリハビリテーションの効果を検証した結果が報告されました。

◆ロボットリハビリテーションで歩行とバランスは改善するの?

脳卒中のリハビリテーション(リハビリ)では、自分の体重が足に掛かる負担を少し軽減しながらランニングマシーン上を歩く練習方法(免荷式トレッドミル歩行)が知られています。この方法を行う際に、ロボット型のスーツのようなものを下半身に装着し、動きを助けること(ロボットリハビリ)により、さらに改善を見込める可能性があります。

今回の研究では、慢性期の脳卒中患者18人をロボットリハビリを行う群とロボットは使用せずに免荷式トレッドミル歩行を行う群に分け、歩く能力やバランス能力に対する効果を検証しました。

 

◆歩く速さやバランスを改善

調査の結果、以下のことが報告されました。

歩行速度(p=0.003)、歩行率(p=0.002)、ステップ長(p=0.004)、BBSスコア(p=0.048)、ABCスコア(p=0.017)は免荷式トレッドミル歩行群よりもロボットリハビリ群で有意に高かった。その一方で、両脚支持期はロボットリハビリ群で有意により低かった(p=0.043)。

ロボットリハビリを行った群は、歩く速さなどの歩行能力やバランス能力をより改善するという結果でした。

歩行能力には様々な側面があり、わかりやすい例としては歩く速さもそのひとつですが、他にも1歩の長さ(ステップ長)や両足が同時に地面に着いている時間(両脚支持期)、歩いている時にどれだけ早く足を回転させているか(歩行率と言います)といった指標も大事です。それらの歩行能力すべてにおいて、ロボットリハビリの方が改善していました。

 

ただし、このリハビリ方法をすべての病院でできるかというとそうではありません。その理由として、まずランニングマシーンの設備を持っていない病院も多く、またロボットもとても高価であるため購入していない病院がほとんどであるためです。

そのような視点から考えると、これらの方法の効果を示すだけではなく、効果に対して費用はいくら掛かるのかということも算出する必要があるかもしれません。もし効果に対する費用が少なくて済む場合、病院などのリハビリ施設で取り入れられる可能性があります。今後、そのような研究が進むことを期待します。

 

【訂正6/13】本文中に「ロボットスーツ」という字句を含む表現がありましたが、「ロボットスーツ」はCYBERDYNE株式会社の登録商標でありこの記事で指示するものと必ずしも一致しないため、「ロボット型のスーツ」または「外骨格スーツ」と訂正しました。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Effects of robot-assisted gait training on spatiotemporal gait parameters and balance in patients with chronic stroke: A randomized controlled pilot trial.

NeuroRehabilitation. 2016 Apr 6.

[PMID: 27061162]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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