◆メタボの人は認知障害を発症しやすい?
メタボリックシンドロームは肥満に加えて糖尿病、高血圧、脂質異常症にも近づいている状態です。
今回の研究は、55歳以上のシンガポール人で、正常な認知機能を持った1,519人が対象とされました。対象者は、2003年9月から2009年12月の期間で調査されました。調査された期間で、軽度認知障害を発症したか、そして、その後、認知症へ進行したかなどが調べられました。
◆メタボは軽度の認知障害発症増加、そして、認知症への進行と関連
次の結果が得られました。
軽度認知障害発症のリスク増加と関連していたベースラインの特性は、メタボリックシンドローム(ハザード比、1.46; 95% 信頼区間、1.02-2.09)、中心性肥満(ハザード比、1.41; 95% 信頼区間、1.01-1.98)、糖尿病(ハザード比、2.83; 95% 信頼区間、1.92-4.19)、脂質異常症(ハザード比、1.48; 95% 信頼区間、1.01-2.15)、そして、3つ以上の心疾患危険因子(ハザード比、1.58; 95% 信頼区間、1.13-2.33)だった。軽度認知障害が認知症へと進行するリスクの増加と関連していたベースラインの特性はメタボリックシンドローム(ハザード比、 4.25; 95% 信頼区間, 1.29-14.00)[...]だった。
開始時にメタボリックシンドロームを持っている人は、軽度認知障害の発症、そして、認知症への進行が多かったという結果が報告されました。
メタボリックシンドロームは脳梗塞などのリスクになる可能性があるため、食習慣や運動習慣に気をつける必要があります。このようなことに注意することで、認知機能への影響も減らせるかもしれません。
執筆者
Metabolic Syndrome and the Risk of Mild Cognitive Impairment and Progression to Dementia: Follow-up of the Singapore Longitudinal Ageing Study Cohort.
JAMA Neurol. 2016 Feb 29. [Epub ahead of print]
[PMID: 26926205]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。