2016.02.24 | ニュース

赤ちゃんが生まれるとき、家にペットがいるとアレルギーの心配はある?

399人の子どもを出生前から追跡

from Allergy

赤ちゃんが生まれるとき、家にペットがいるとアレルギーの心配はある?の写真

アレルギー性鼻炎を起こす物質に、花粉のほかハウスダストやペットの毛などがあります。赤ちゃんが育つ環境に犬や猫がいると、アレルギーに影響はあるのでしょうか。データの解析から検討が行われました。

◆ペットがいる家に生まれた子どもは鼻炎になるか?

研究班は、デンマークで行われた新生児の追跡調査から、399人の子どものデータを得ました。

調査では、子どもが生まれた家で妊娠後期から誕生後1年の間に犬か猫がいたかどうか、また子どもが1歳の時点で家の中のベッドのほこりを採ってアレルゲン(アレルギーを起こす物質)の量を調べました。子どもは13歳までの間に繰り返しアレルギー反応の検査(皮膚プリックテスト、特異的IgE抗体測定)と鼻炎の有無の診断を受けました。

調査データから、子どもの環境とアレルギー反応や鼻炎の関連について統計解析が行われました。

 

◆犬も猫も関連なし

次の結果が得られました。

周産期における犬または猫の曝露と、小児期における感作または鼻炎との間に関連は見られなかった。同様に、ベッドの粉塵サンプルに含まれるアレルゲンの量と、小児期における感作または鼻炎の間にも、関連は見られなかった。

犬か猫が家にいても、またベッドのほこりに犬、猫、ダニのアレルゲンが含まれていても、子どものアレルギー反応や鼻炎が増える影響は見られませんでした

研究班は「アレルゲンを避けることがアレルギー予防策として有効かという問いに対して、周産期における室内の空気中アレルゲンに触れることは、小児期のアレルギー感作または鼻炎の発生に影響しないようだ」と結論しています。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Early indoor aeroallergen exposure is not associated with development of sensitization or allergic rhinitis in high-risk children.

Allergy. 2016 Feb 2. [Epub ahead of print]

[PMID: 26836471]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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