2016.02.14 | ニュース

麻薬乱用から立ち直るために、家族はどう影響するのか

17人の面談から

from Journal of caring sciences

麻薬乱用から立ち直るために、家族はどう影響するのかの写真

麻薬など薬物乱用の治療には家族の協力も大切です。繰り返す麻薬使用の治療を受けている人を対象にした面談で、家族が治療の中でどう関わっているかが調査されました。

◆治療を受けている人など17人から聞き取り

このイランの研究では、麻薬乱用の治療を受けていて、乱用が再発したことのある患者12人、その家族2人、治療に関わっている医師など3人の、計17人が対象になりました。

対象者に決まった形式の面談による聞き取りが行われ、再発に家族がどう関わっているかが質問されました。

 

◆家族に悪い要素があると再発しやすい

面談で話された内容を分析し、次の結果が得られました。

家族・親族の交流、家族の難詰、家族の構造という3点の下位テーマを含む「家族の雰囲気」が、再発行動の決定因子と考えられていた。

家族や親類の交流の中で嫌なことを言われる、家族とけんかになる、家族の中に離婚などの問題があるといった要素によって「家族の雰囲気」が作られ、「家族の雰囲気」に悪い要素があると再び薬物乱用がされやすくなると考えられていました。

研究班は「医療提供者は麻薬使用者の治療とリハビリテーションにおいて、家族の協力を得る努力をするべきである」と結論しています。

 

薬物乱用は、患者の意志だけでは解決しにくい問題です。患者を責めることは逆効果になるかもしれません。治療のため周りの人がどうやって支援することができるのかを積極的に考えていくべきなのではないでしょうか。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

The Role of Family Atmosphere in the Relapse Behavior of Iranian Opiate Users: a Qualitative Study.

J Caring Sci. 2015 Sep 1.

[PMID: 26464835]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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