2016.02.03 | ニュース

日本でジカ熱発症、タイ・サムイ島、仏領ポリネシア・ボラボラ島から帰国後に

2013年から2014年に3人の症例
from Journal of travel medicine
日本でジカ熱発症、タイ・サムイ島、仏領ポリネシア・ボラボラ島から帰国後にの写真
(C) nechaevkon - Fotolia.com

胎児に小頭症を起こすとも言われるジカウイルスの感染が中南米などで流行し、WHOが緊急事態を宣言しました。ジカウイルスが起こす「ジカ熱」の患者は、日本でも見つかっています。2014年までに診断された3人の例を紹介します。

◆タイに旅行した40代男性

40代の男性が、2014年7月末にタイのサムイ島で7日間観光しました。旅行中に虫除け剤は使っていませんでした

帰国後に3日間の発熱、頭痛、発疹があり受診しました。

診察で37.2℃の発熱、胴体と手足の広い範囲に赤いブツブツとした発疹(斑点状丘疹)があり、発疹は掌と足の裏にまで及んでいました。両目に結膜炎がありました。

血液検査でわずかな炎症反応が見られたほかに異常はありませんでした。デング熱の検査は陰性でした。

病歴からジカウイルス感染が疑われ、国立感染症研究所に依頼して血液と尿の検査が行われました。初診時点の血液からははっきりとした結果は得られませんでしたでしたが、症状が始まって5日から11日の検査では陽性でした。

初診の3日後に再び診察されたときには、熱と頭痛はなくなっていました。初診の11日後にはすべての症状がなくなっていました。

 

◆ポリネシアに旅行した20代男性

20代半ばの男性が、2013年12月上旬にフランス領ポリネシアの、タヒチ島の近くにあるボラボラ島で6日間観光しました。旅行中に虫除け剤は使っていませんでした

帰国後4日間の発熱、頭痛、関節痛と、1日間の発疹があり受診しました。

診察で37.2℃の発熱、顔と胴体と手足に斑点状丘疹が見られました。血液検査でわずかな白血球血小板の減少が見られたほか異常はなく、国立感染症研究所による検査でジカウイルス陽性の結果が得られました。

発熱は受診翌日になくなり、ほかの症状も数日でなくなりました。

 

◆ポリネシアに旅行した30代女性

30代初めの女性が、2013年12月中旬から下旬にボラボラ島で10日間観光しました。旅行中は虫除け剤を使わず、蚊に刺された自覚がありました

帰国6日後から5日間の発熱と目の奥の痛み、1日間の発疹、かゆみがあり受診しました。

診察では熱はなく、両目の結膜が充血し、顔、胴体、手足に斑点状丘疹がありました。

血液検査でわずかな白血球と血小板の減少があり、血液からはジカウイルス感染は見つかりませんでしたが、尿からウイルスが見つかりました。

 

ここで報告された3人には、海外旅行中に虫除け剤を使っていなかったという共通点があります。

感染した場所と見られるサムイ島、ボラボラ島はどちらも観光地として人気があり、新婚旅行などで世界各国から多くの人が集まってくる場所です。いま大きな流行がある中南米の地域はもちろん、ほかの地域に行く前にも流行情報を調べて対策することは大切です。地域によってはジカウイルスだけでなくほかのウイルスや細菌にも注意が必要です。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Two cases of Zika fever imported from French Polynesia to Japan, December 2013 to January 2014 [corrected].

Euro Surveill. 2014 Jan 30.

[PMID: 24507466 ]

Zika fever imported from Thailand to Japan, and diagnosed by PCR in the urines.

J Travel Med. 2016 Jan 18.

[PMID: 26782128]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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